好きな人。

□Episode 15
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彩が名無しに気があることは知っとった。
幼馴染みやし、そーゆー事はすぐわかった
やけど、私も名無しが好きやったから…

あのあと、名無しと彩がなにしたかしらへん。
ただ、食堂に来た時に彩が里香ちゃんに言っとった…「付き合った」って


「名無しもっと近く来て?」

「な、菜々さんっ、そんなの無理ですよ…///」

「なぁ、お願い。」

「わ、わかりました」


優しいからすぐ隣に来てくれた名無し


「なんか、ドキドキするな」

「は、はい//」

「名無しもドキドキしてるん?」

「してますよ、ほら」


私の手を取って自分の胸に当てた名無し


「ほんまや、同じくらいドキドキしとる」


なぁ、名無し。
今、私の手、胸にあるんやで?


「菜々さんも?」


スッと手を伸ばして私の胸に手を当てる名無し


「名無し」

「え?…わっ」


女の子にやったことなんて1度もなければ組み敷いたことさえない
やけど、今名無しを組み敷いとる。


「な、なさん…」

「菜々って呼んで」

「そ、そんなのむりでっ…んっ…」


驚いたような恐怖のような目で見てくる名無しに口付けをした


「菜々って呼んでや
1回だけでえーから…」

「な、菜々…」

「名無し好きや…」

「え、菜々さっ…」


さん付けで呼ぼうとした名無しの口を塞ぐ


「名無しっ…」

「なんで泣いてるんですか…?」


頬に伝う涙を指で拭いてくれる名無し


「うぅ…名無しー…」

「菜々さんっ!?」


名無しの胸に顔を埋めて本格的に泣いたからあやす様に背中をポンポンしてくれた


「好き…名無しのこと好きやねん…」

「菜々さん…」

「ずっと、好きやったのに…」


ずっとずっと好きやった。
頭から離れんくらい好きや…


「名無しー…」

「菜々…」

「名無し」


菜々って呼んで抱きしめてくれた
私もぎゅーって抱きしめた
好きや。名無しのことが好きやねん
すぐ赤くなるところも、全部全部


「すき…」


continue...
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