好きな人。

□Episode 17
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「さ、彩さんっ!!」

「おー名無し」

「今から大丈夫ですか?」

「大丈夫やで、行こっか」

「はい」


彩さんは私の前を歩いて部室に連れてってくれた


「名無し、あたしまわりくどいの好きやないから直入に聞くけど、話ってなに?」

「わ、私…」


言うのが怖い。
言うて嫌われたらどうしよう…

やけど、彩さんに隠しときたくないから…


「合宿の日に菜々さんとキス、しました…」

「名無しから?」

「違います!!」

「どーゆーことか話して?」


あの日のことを全て彩さんに話した


「名無しは山田のことが好きなん?」

「私は彩さんがっ!」

「山田とキスしてどー思った?」

「さ、彩さんとのキスがいいって…」

「山田にドキドキした?」

「そこまでわ…彩さんとの方がドキドキしました」

「名無し、目つむって」

「は、はい…」


殴られるんかな…さいてーやもんな…
ギュッと目をつむってほっぺにくる痛みを待った


…けど、きたのは唇にやわらかい感触だけ

私、キスされた…?


「名無し、実は山田から聞いててん」

「え…?」

「次の日くらいに山田から聞いた。」


菜々さんから聞いとったんや…


「名無しが話す気ないんやったら怒ってやろーかと思ったわ」

「なんで…」

「ん?」

「なんで怒らないんですか…
菜々さんとキスしちゃったんですよ…」

「やって、名無しからやないやん。」

「でもっ…」

「なら怒らへんから約束して」

「はい」

「もぉ、あたし以外とキスしやんで。」

「もぉしません」

「なら許す。」


彩さんは軽くキスをしてきた


「山田とキス、何回したん?」

「1回、です」

「なら10回したるわ」


菜々さんの感触を消すように彩さんはほんまに10回キスしてきた。


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