リナリア~この恋に気づいて~

□2nd
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高校に入学してすぐのHRで1人づつの自己紹介。

それで前の席の子が声がすごくてクラスに笑いがおきた
その子は顔を赤くして俯いてしまって、あたしはその子に負けへんくらいの笑いを誘った

HRが終わってみんなが帰る準備をしとる時にその子がさっきはありがとうって言うてきたからあたしは恥ずかしくて、別にあたしが笑いを取りたかっただけやしって照れくしで言うたのにほんまありがとうって微笑む顔に一瞬で心が奪われた


「彩、ほんま起きんと怒られるで」

「ん。」


頭を軽く叩かれて現実に戻された

叩いた本人は夢の中では微笑んどったのに目の前の顔は頬を膨らましたふぐ顔。

あたしはこの顔が見たくてわざと怒らせたりする


…好きな子をいじる小学生みたいやな


「彩まだ寝るん?」

「起きる」

「ん、えらい」


ニコッと笑う山田に子供扱いすんなって言うたけど山田は頭を撫でてきた


末っ子のあたしと長女の山田。

ある意味相性がいいんかもしれへんな…


「山田、ノート」

「はいはい」


まだ授業中やけど先生の長い話が始まっとるから少しの間は黒板書かへんっぽいな


山田から借りたノートを開くと可愛らしい字でノートを埋められとった


ふと、ノートの端に書かれとる字が目に入る


『彩が寝とる。』


「彩が寝とるってなんやねん笑」

「へ?」

「山田さん、落書きしたらあかんやん笑」

「や、やって暇やってん!
彩寝とるから見たまんま書いただけやし」


またふぐになる山田に笑って山田が書いた字を指でなぞってノートに写した


continue...
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