好きな人。2

□Episode 10
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「名無しちゃーん」

「え、なに。怖いんやけど」


学園祭の出し物を決めた後、優子がニヤニヤしながら近づいてきた

普通に怖いんやけど…


「大島さんのお願いを聞いてくださーい」

「ニヤけとるし、絶対後ろになにか持ってるやん」

「じゃーん!!
これ着て売ってくれない?」

「はぁ!?
ぜっったいいやや」

「えぇー。。
名無しがこれ着てくれたら絶対売れるよ?」

「いやや!」


なんで好き好んでそんなに露出が多いやつ着なあかんの

ほんまにいやや


「優子、名無し嫌がってるじゃん」

「あ、佐江!」

「佐江も名無しのコスプレ見たいよね?」

「名無し嫌がってるんだから諦めなって」

「うぅー…」


いつもなら優子に賛成する佐江が助けてくれた


「でも、絶対山本さんとか喜ぶよ?」

「え、彩さん来るの?」

「うん
岸野先輩とかたくさん連れて来てくれるらしい」

「ほら、それなら名無しのこの格好みたら山本さんまた名無しにメロメロになるじゃん?」

「名無しにそんな格好させたってバレたら優子は彩さんにしめられるけどね」

「絶対感謝される自信しかない!」

「どっからくるだよ、その自信」

「ミスコンもあるんだし、コスプレしとけば点が稼げるよ?」

「優子が勝手に申し込んだんやんか!」

「だって、名無し可愛いから出なかったら申し訳ないじゃん…」


ニヤニヤ顔から一気にしゅんっとハの字眉になった優子。

そんな顔されたらやるしかなくなるじゃん、、


「わかったよ、やればいいんやろ」

「やったぁ!!」

「その代わり、変なことしゃんといてな!」

「分かってるって」


パァッと笑顔に戻った優子にため息をついた。
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