リナリア~この恋に気づいて~

□5th
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「菜々ちゃん、ちょっとええかな?」


体育祭の日に彩に抱きしめられてから呼び出されることが多くなった。

だいたいはトイレなんやけど、屋上とか保健室とかいろんなところに呼び出される


でも今日は彩の事が好きな人たちやなくてまーちゅんに呼ばれた


「まーちゅん?」

「ちょっと…」

「ん、わかった」


気まずそうな顔をするから素直について行った


「菜々ちゃんと彩ってできとるってウワサやん?」

「彩とはなにもないで?
友達やから!…あ、まーちゅんが気になるよーなことは一切あらへんよ!!」

「茉由の気持ち気づいとったん?」

「今気づいた!」

「なら話早いやん」

「別に彩のこと好きでも今まで通りやでる応援はするけど!」

「え?」

「え?」


私おかしいこと言った?


「あはは笑
ちゃうちゃう!茉由が好きなのは菜々ちゃんやで笑」

「え、彩やないん?」


てっきりまーちゅんも彩のことが好きなんやと…
そっか、私のことが好きやったんや


「え、えぇぇぇぇ!?」

「菜々ちゃんおもろいなぁ笑」


まーちゅんは私の反応を見て大声をあげて笑い出した


「もぉ、からかわんといて」

「からかってへんよ?
菜々ちゃんのこと好きなのはほんまやから」

「え…?」

「まぁ考えといてや」


そーいって去っていったまーちゅん

私、告白されたんよな?


足の力が抜けてその場にへにゃりと座り込んでしまった


「ど、どないしよー…」


まーちゅんは友達やし…

初めての告白に心臓がまだドキドキしとる…


「山田?なにしとんの?」

「さ、さやかぁ…」


力が入らんくてそのままおったら彩が来た


「授業始まるで?」

「うん…」

「…まーちゅんに告白されたんやろ?」

「え?」

「ごめん、聞こえててん」

「そっか…
びっくりよな、、友達やと思っとったんやけどな…」

「嫌やった?」


嫌?
そんなことあらへん。
好きって言われるのは嬉しいし…


「嫌やないけど…
まーちゅんのこと友達やと思っててん
恋愛感情で見られへん…」

「ならそれを素直に伝えたらええと思うで?」

「けど、関係が…」

「あたしらはそんな事で終わる関係やないやろ?」


そーや、こんな事で終わらへんよな。


「まーちゅんにちゃんと言う」

「おう。」

「時間とっちゃってごめんな?」

「別に大丈夫やけど、完ぺき遅刻やな」

「せやな笑」


ま、いっか笑

それより…


「彩は友達から恋愛ってありやと思う?」

「んー人によるかな
岸野とかやと考えられへんし」

「…やったら私は?」

「え?山田のこと?」


なぁ、彩
私、彩のこと入学した時から好きやったんやで?
あのホームルームで助けてくれた時に好きになったんで?
知らへんかったやろ?


「冗談やで笑
はよ授業行こーや」


彩が言うた言葉に気付かへんまま教室に急いだ


continue...


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