リナリア~この恋に気づいて~

□7th
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ポニーテールを揺らしながら砂浜をかける彼女

どこかのアイドルの歌詞みたいにシュシュなんかつけて、ボーダーのビキニでかけていく


「来ーへんのー?」

「行く」


くるっと振り返って叫ぶ山田にニヤけそうになりながらも顔を保ちながら返事を返した


「もー遅いで」

「わりぃ」

「あ、浮き輪忘れた」


せっかく来たのに浮き輪を取りに戻った山田


あんまり走らんといてほしい

白地に緑のボーダーなんてガキっぽいの着とるのに身体は十分に膨らんどるからそこら辺の男が走るたびにチラチラ見とる


「ごめんなぁ」

「ええけど、浮き輪いるんや」

「やって泳げれんし」

「まぁええわ
はよ浮き輪に捕まり」

「はーい」


浮き輪を被った山田を引っ張ってどんどん沖の方へ進んだ

進んだと言っても海水浴場の範囲まで網があるからそこまで沖のほうでもあらへん


「あ、菜々ちゃんや」

「え、みるきー!?」

「菜々ちゃんもデート?」


みるきーと呼ばれた女の子は山田の浮き輪に捕まって山田と話し始めた


「デートちゃうよー」

「そーなん?
でもええ感じやん」

「みるきーはデートなんや」

「せやで!
愛菜が泊まりで行くかって言ってくれてん!」

「お泊まりデートかぁ
ええなぁ」

「菜々ちゃんもイケメンの彼に頼んだらええやんかー」


そー言いながらあたしをチラチラ見てくる女の子


「みるきー、それが彩やで」

「え、菜々ちゃんが言っとった彩ちゃんってこの人なん!?」

「うん」

「へー菜々ちゃんのねぇ…」

「ちょ、みるきー!」


じーっと見てきたみるきーをばしゃっと捕まえた山田はこそこそみるきーに耳打ちした


「みるきー、勝手に行かんといてや」

「あ、愛菜
ごめんなぁ」


聞き覚えのある声に聞き覚えのある名前。

まさかな、なんて思いながら見ると中学まで同じやった愛菜がおった


「え、彩やん」

「愛菜、やんな?」

「中学ぶりやん!!
彩も来とったんや!」

「彩?」

「あ、愛菜とは中学まで一緒やってん」


山田が不思議そうに見てきたから説明するとそーなんやって笑顔で愛菜に挨拶した山田

てか、あたしみるきーのこと説明されてへん。

まぁ多分山田たちも中学まで一緒やったんやと思うけど


「彩ちゃんは菜々ちゃんのからだ目的なん?」

「ぶふっ!!」

「ちょっ、みるきー!」


4人でご飯食べようってなって海の家に入ると斜め前に座っとるみるきーにぶっ込み質問をされて吹き出してしまった

隣の山田も少し顔を赤くしながらみるきーを見とった


「彩ちゃんも菜々ちゃんのこれが目的なんやろ?」

「やめてぇやぁ」


立ったみるきーは山田の胸を鷲掴みにして聞いてきた

山田も山田で強く言わへんし


「彩は友達やから」

「そーなん?」

「せやで」

「なーんだ」


菜々ちゃんの身体を独り占めするんかと思ったぁなんて顔に似合わへんようなぶっ込み発言を繰り返すみるきー


「彩たちはなんで2人で来たん?」

「え、菜々ちゃんもしかして彩ちゃんしか友達おらへんの!?」

「そんなことあらへんわ!」

「他の奴らが予定入って2人で行くかってなってん」

「せやったんや」

「てか、こんな遠くまで来て日帰りなん?」

「逆に泊まる方がおかしくない?」

「そー?
別にお友達なんやからよくない?
まぁ菜々ちゃんは彩ちゃんのことお友達やと思ってへんかもやけど」

「みるきー!!」


ニヤニヤっと山田を見るみるきーに真っ赤にした山田が反抗した

てか、お友達やと思ってへんかもってなんやねん

え、あたしそんなに嫌われとん?
いや、でも嫌われてはないはず
思い当たる節があらへんし…


「彩行こ」

「あ、うん」


悩んどると山田に腕を掴まれて引っ張られた


「ごめんな」

「ん?」

「彩のこと友達やと思っとるから
みるきー、なんか勘違いしとって変な事言うねん」

「せやったんや」


こんな真正面から友達やって言われたら傷つくけど、、

正直、色んなやつが山田を見るたびにあたしのやから見んなやって言うてやりたいくらいやけど…


「ほら、遊ぼ?」

「うん」

「ビーチバレーしよー!」


ボール取ってくるなって走る山田。

やからあんま走んなって…


continue...


短編にするか夢にするか悩んだ結果最近更新してなかったリナリアへ


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