好きな人。

□Episode 21
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「名無しのクラス行かへんの?」

「あーなんか忙しいみたいやで」

「まぁ、名無しがあれやからしゃーないよな」

「岸野、知っとんの?」

「知っとるもなにも写真撮ったし」

「は、いつの間に」


学園祭やから部活の朝練もないし、朝からクラスに付きっぱなしやから、まだ名無しに会えてへんし、LINEも返ってこーへん

名無しはクラスで何するか教えてくれへんかったから、わからへんのに岸野は写真も撮ったらしい


「さや姉さや姉!」

「上西やん、どないしたん?」

「見て!」


違うクラスの上西が急いで来たから急用かと思えば写真を見せてきた


「なにこれ」

「名無しのクラス!
男女逆転メイド喫茶やって!!」

「え、名無し執事なん?」

「このセンターに写っとるのが名無しやで!」

「はぁ!?」


上西が言ったように真ん中に写っとるのを見と確かに名無しのようにも見えるけど…


「名無しカッコよすぎやろ!」

「里香は2shotも撮ってんで?」


名無しの執事に興奮する上西と写真を見せてくる岸野

てか、岸野はいつの間に撮ってんねん
あたしかてまだ撮ってへんのに


「彩、名無しの執事見た?」

「山田も写真撮ったんか」

「2人で撮ってもらってん!!」

「あんたら行動はやすぎやろ」

「え、彩まだなん?」


まだやわ。
名無しが執事することすら知らへんかったわ!


「今、休憩中らしいで!」

「ん、さんきゅ」


休憩中なのを教えてくれた山田にお礼を言って1-3に行った


「え、山本先輩やん!!」

「やばい、山本先輩が来た!」


入口で執事姿の女子が騒いどったけど、気にせず中に入った


「あ、彩さん
名無しならこっちにいますよ」


名無しの友達の小笠原さんに名無しのところに連れてってもらった


「名無し、彩さん来たで」

「え、彩さん!?」

「じゃ、ごゆっくり〜♪」


名無しはほんま休憩中って感じにくつろいどった


「名無し、なんであたしに教えてくれへんねん」

「彩さんにはサプライズで見せようと思ってたんです」

「岸野とも、山田とも写真撮ったんに?」

「ヤキモチ、ですか?」


あたしが横に座ったら顔をのぞき込むようにニヤニヤして見てきた名無し

執事姿似合いすぎやろ。
いつもよりキリッとしとって見つめられただけで心臓がうるさくなるわ


「彩さんかわいい」

「え?」

「彩さんがこんなんになるんなら私ずっと執事でおりたいわ」

「名無し」


いつも通りやない名無しに戸惑っとると名無しからキスされた


「彩さんもそんな可愛い1面あるんですね」


ニコッと笑った名無しやけど、雰囲気がいつもと違いすぎやろ…


「彩さんが赤くなったー笑」

「名無しやのに、名無しやないみたいやわ」

「ふふ、こんな私どうですか?」

「…嫌いやない」

「私、可愛い彩さんが見れて嬉しいです」


なんか、立場逆転みたいな感じになって恥ずかしいんやけど…


名無しのクラスの子が気を使って名無しのシフトを削ってくれたから、執事姿の名無しのまま学校をまわった


「彩さん、写真撮りましょ!」

「え、撮んの?」

「はい!」


ぴとっとくっつかれてまだドキドキしとる自分の心臓を正常に保って写真を撮った


「やったぁ
待受にしていいですか?」

「ええで」

「後で送りますね!」

「ん、了解
じゃ、また片付け終わったら来るな」

「はい!
私も終わったら行きます!」

「ん、ほなな」


執事姿の名無しとわかれてクラスに戻った


「名無しの執事かっこよかったやろ?」

「まぁ、な」

「写真撮った?」

「一応…」

「見せて」


ちょうど名無しから送られてきた写真を岸野に見せた


「え、彩乙女すぎやろ」

「うっさいわ!」

「彩が乙女すぎでやばい」

「名無しがかっこええだけや!」

「彩の乙女やばいんやけど!
なぁなぁ、けいっちと菜々ちゃんこれ見て!」

「あ、おい!」


携帯を撮られて上西と山田にも見せられてこの後さんざんにからかわれた。


continue...
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