好きな人。2

□Episode 10
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「広いなぁ」

「彩、置いてくんでー!」


名無しの学園祭に岸野と朱里、まーちゅんと愛梨と渡辺美優紀と一緒に来たんやけど、大学広いな。


「は、待てや」

「なにトロトロしてんねん」

「うっさいわ!」

「名無しちゃん、コスプレさせられるらしいで」

「なんであんたが知ってんねん」

「教えてもらったからやん」


渡辺美優紀がニヤニヤしながら教えてくれたけど、嫌な予感しかしやん。

やって、絶対変なコスプレやん…


「名無しちゃん、こっちもお願い」

「はーい」


名無しがおる所に着いたんやけど、長い行列が出来とる。

入口から中を覗けば案の定胸元バックリの超ミニスカなコスプレをしとった。


「うわ、やばっ」

「あの子やばいな」

「あんなん出されたらたまらんくね?」

「我慢できんで」

「あの子めっちゃ可愛い!」

「ほんとだ!」

「後で写真撮ってもらおうよ」


列に並んどる男達も名無しに変な目線を向けとるし、女の子たちはかわいいって話しとるし

名無し、注目されすぎやろ


「彩が拗ねとるで笑」

「ほんまや笑」

「名無しが可愛いのは今に始まったことやないし、1番知っとるのは彩やろー?」

「うっせぇ」


岸野と朱里に笑いながら宥められた。


「彩っ!!」

「名無し、もぉええの?」

「うん
最初だけおってくれたらええって」

「名無しちゃーん!!」

「ぐはっ、みるきー」

「お前何してんねん!」

「名無しちゃんのコスプレ見られんように隠してあげたんやん」

「そんなことせんでええねん!」


いきなり名無しに抱きついた渡辺美優紀を離して、名無しを引き寄せた


「彩?」

「その格好はあかんやろ」

「優子に着せられてん」

「やと思ったけどさ
とりあえず、これ着とき」

「あ、ありがとう」


着とった上着を名無しに被せて、名無しはまーちゅんと愛梨と渡辺美優紀と朱里と話し出した


「彩、これ見てみ」

「はぁ!?こんなの聞いてへん」


岸野が見せてくれたのは学園祭のパンフレット。

そこにミスコン出場者の写真と名前、紹介文が書いてあるんやけど、名無しが載っとった。
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