未完成

□やまもとさん
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「ななし」

「さやかやん、どしたん?」

「さっきの見てへんの?」

「さっき?」

「…百花とキスしたやつ」

「あー見とったよ」


まぁ、楽屋でしたら見てへん方がおかしいと思うけど笑

百花とキスしたのは見たし、もっと言えばキスする前からずっと見とったけど


「なに?」

「…怒っとらんの?」

「え、なんで怒らなあかんの?」

「昔は怒とったやんか
私以外とキスしやんといて!って」

「それ、昔のことやん笑」


確かに、入ってすぐは彩は私の!みたいな感じで近づくメンバーみんな敵視しとったけど、あれはおもちゃ取られたくない子供のように彩が取られたくなかっただけで、もう大人になったしなぁ


「…やんな」

「どしたん?」

「べつに。」

「なんもあらへんって顔してへんやんか」

「ななしって結局誰が好きなん」

「へ、」

「最初はあたしのこと好いてくれとったやろ?
やけど、3年過ぎたくらいから山田にくっつきだして、今は誰ともくっついてへん」


3年過ぎたくらい…

私が菜々ちゃんのこと好きかもって思いだした時やんな
わりとアタックしとったんやけど、菜々ちゃんはそんなこと一切気づかへんとお姉さんで対応してきたけどな


「菜々ちゃんのことが好きやってん。
まぁ告白もせずに終わったんやけどさ」

「3年から5年にかけてやろ?」

「気付いとったん?」

「頑張って山田の隣キープしよーとしとったやん」

「せやねん
やけど菜々ちゃんはそんなんに気付かんと卒業しちゃってん」

「…そのままあたしのこと好きやったらよかったのに」

「、は?」

「わりとあんたのこと好きやったんやけど」

「ちょ、マジで言うてんの?」

「うん」


彩が私のことを好き?
ぜっっっっったいないと思っとったんやけど。
いや、今もないって思っとるけどさ

やって私が行くとめっちゃめんどくさそうな顔しとったんやで?
それに、菜々ちゃんにくっつくようになったら苗字呼びやで?

いやいやいやいや
からかわれてるんとちゃう?


「ななし?」

「えっと…どうし「ななしさん、スタッフさんが呼んでますよ」あ、すぐ行く!!」

「ここで待っとくから行ってくれば」

「楽屋戻っとってええよ」

「ここにおる」

「わかった」


スタッフさんのところに行って軽く話を済ませて急いで彩のところに戻った


「うける笑」

「いや、笑い事やないから」

「笑い事ですよ笑」

「もー…」

「あ、ななしさん帰ってきたんで戻りますね」

「えっと、まだ用事あるから続けてええよ」

「ななし」

「ごめん、また話すわ」

「…うん」


なんやゆーりと楽しそうに話しとるやん。
最近さやゆーり多いし、さっきのは過去の告白やん
何動揺してんねん
第一、彩に対してはじめから恋愛感情なんか無かったし

いや、最初は恋愛感情で好きやったんかな。


「あぁ!!もぉ!!」

「びっ、くりした」

「あ、ごめん」


隣に座っとる朱里に気づかずに叫んでしまったことに後悔。
すぐニヤッとする朱里


「いいけど、さや姉のこと?」

「ちがう。」

「百花とキスしたから悩んでんの?」

「やからちがうって」

「ななしってほんまさや姉のこと好きよな」

「はぁ!?」

「まぁいいんとちゃう?」

「話が読めへん」

「ななしはさや姉が好きでさや姉もななしが好き。
両想いやん」

「ないから」


両想いもなにも、こっちからもあっちからも恋愛感情出てへんし
ほんま女子って恋バナ好きよな


「ななしー!!ななしななしななしななし」

「ちょ、きもいから!来やんといてよ」


美瑠が名前連呼しながら笑顔で抱きついてきた
口では来やんといてって言うたけど、普通に嫌やないから受け止めるけど


「いいこと聞いたんやけど!!」

「なに?」

「ななし、さや姉と両想いなんやって?」

「どこ情報」


白間美瑠、お前もか。
ほんまにみんな恋バナ好きやな


「さや姉がさっきゆーりと話してるの聞いてん」

「はぁ!?」

「ななしのこと好きって言うとったで」

「あのね、世の中には恋愛の好きと人間としての好きがあるのよ
彩が言うとったのは後者の方」

「ななしは恋愛として好きやけど、さや姉からの気持ちが返ってこずに片想いってこと?」

「まずそこから間違えとるから
私も彩も人間として好きやけど恋愛ではないねん」
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