未完成

□アントニオ
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「え、」


学校に行く途中、道の端で倒れとるマジ女の子がおった

マジ女やし、そのまま行こうかと思ったけど、生憎あたしは血だらけの子を置いていくほど酷いやつやない。


「なぁ。」

「ん、、?」

「あんたマジ女やろ?」


目も開けられへんらしく、微かに頷いた女の子


「手当てしたるから背中乗り」

「だい、じょぶ…」

「大丈夫やあらへんやろ、勝手に連れてくで」


マジ女のやつ連れてったらなんか言われるやろーか?
まぁ、あたしになんか言うんならすぐ黙らすけどな


女の子をよいしょっと背負って激尾古に連れていった


「アントニオ、遅かったやん」

「わりぃ」

「え、マジ女の子やん」


学校に行くとこびーが駆け寄ってきて後ろに乗っとる子をジロジロ見てきた


「道端に倒れててん。
手当てするから看護室開けといて」

「マジ女やで?ええの?」

「こんなになっとるのほっとけれんやろ」

「アントニオが言うならええけど…」

「とりあえず、誰も看護室に来させんといて」

「はーい」


こびーが開けてくれた看護室に入って、ベッドにおろした


「脱がすで?」


返事はあらへんけど、一応聞いとかんとあかんかなと思い聞いてセーラーに手をかけた















「ん、だれ…?」

「起きたか」


手当てを終えてベッドに寝かしとくと10時頃になってやっと目を開けた


「げき、おこ…?」

「朝、倒れて動かへんかったから勝手に手当したで」

「なんで…」

「なんでって死にそうやったから」

「マジ女やで?」


普通助けへんやろ。って関西弁を話す女の子。


「マジ女でも死にそうやったら助けるわ」

「アホやな」

「その身体でどこ行くねん」


よいしょ、とベッドから降りようとする女の子を止めると、睨まれた


「マジ女に帰るんや」

「ここから出たらうちの生徒にやられんで」

「私はやられへん」

「ふーん」


そんな傷だらけやと、ここから出ればすぐやられるのは目に見えとるやろ。

ええ子でおればええのに、威勢のええ子は嫌いやないけど、マジ女の生徒1人やと普通に考えてむりやから。


「なんやねん」

「ほんならあたしとやろーや」

「…ええよ」

「いつでも来てええで」


ベッドから降りた彼女に言うと目の色かえてかかってきた


「いっ、、」

「なんやねん、もう終わり?」

「ちゃ、う…」

「ほら、はよ振り払わな」

「んんっ…!」


彼女の左の腕を強く掴むと顔が怯んで、動かんくなった

そんな身体でよくやられへんなんか言えたな。


「はぁぁ。
今日1日はここにおった方がええよ」

「ふざけんな」

「せっかく手当てしたんやから」

「…さいあく。」

「ほんなら、お昼くらいにまた来るわ」


背中向けて出ようとすると腕を掴まれた


「1人でおれって言うん?」

「え?」

「1人やと暇なんやけど」

「一緒におれと?」

「うん」

「それは無理やなぁ」

「ほんなら帰るで」

「それもあかん」


なんやねん。ってぶーたれとる彼女。

てか、名前聞いてへんかったな


「なぁ、名前なんなん?」

「は?」

「名前。まだ聞いてへんかったから」

「…ななし。ななしななし」

「ななしか。
ほんなら、ななし。ここから出たらほんまに動けんようにしたるからな」

「…あんた何様やねん」

「ここのてっぺんはっとるアントニオやけど」

「アン、トニオ…」


あたしの名前を聞いて眉をひそめたななし。

そりゃてっぺんに捕まったらおしまいやもんな


「ほんならええ子にしとってな」

「…はいはい」


看護室を出て、みんなのところに向かった
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