恋を

□名無しのラブレター
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「ねぇねぇ
山田さんって山本さんの幼なじみなんやろ?」


話したこともない子に話しかけられて人見知りの私は頷くことしかできんかった


「ちょっとさ、お願いがあるんやけど…
これ、山本さんに渡して欲しいんやけど、、ええかな?」


直だと渡せないから変わりに渡しといて。
人気者の幼なじみを持つとこーゆーことがある


「ええけど、受け取ってくれるかわからんで?」

「うん!!
よろしくねー!!」


幼なじみの山本彩
幼稚園から高校まで離れずずっと一緒の腐れ縁ってやつ

って言っても彩は頭がいいから彩のことが好きな私は同じ高校に行きたくって猛勉強をした


「菜々ちゃん、またもらったん?」


この子はまーちゅん
彩を通じて仲良くなった友達


「せやねん…」

「あの顎はモテモテやな」

「あんなしゃくれのどこがいいんやろ」

「おいこら」

「げっ」


後ろから聞こえた大好きな人の声


「あんたら人がおらんところで言うたら悪口やで」

「まーまー!冗談だけはその顎だけにしてくださいよー」


まーちゅんが顎を撫でながら言うと彩もすかさずつっこむ
このふたりはネタ合わせもせずに漫才が始まるから見とって楽しい


「あ、そーやった」


彩が急に振り向いた


「山田、今日部活終わるまで待っとってや」

「え?」

「今日誰も家におらんねん」

「ご飯つくれと?」

「よーわかっとるな笑」


彩の家はよく誰もおらん時があるからたいがいその日に私がご飯を作りに行く


「彩、また菜々ちゃんの手作りかよー
羨ましいぞー!!」

「まーちゅんもくる??」

「お前、人の家に勝手に呼ぶなや」

「菜々ちゃん独り占めとかずるいぞー!!」


ちゃちゃを入れてくるまーちゅん


「茉由も菜々ちゃんみたいな幼なじみほしかったなぁ」

「お前は山田のこと好きすぎやねん」


まーちゅんはカワイイ子が大好き
カワイイ子にはすぐに口説きに行く
そして、何故か私のことを好いてくれとる


「山田はあたしのや」

「へ?」


突然彩が変なこと言うから変な声が出てしまった


「彩だいたーん」


まーちゅんがニヤニヤしながら彩を肘でつついた


「さ、彩っ!
今のって…」


(キーンコーンカーンコーン


聞こうと思ったらタイミング良くチャイムが鳴って席についた


「山田はあたしの、か…」


彩はなんとなしに言ったと思うけど、期待するやんか…


「あ、渡すの忘れとった…」


ブレザーのポケットの紙を出して見てみる


「好きです、か…」


私の気持ちもこーゆー風に伝えれたらええのに…

あ、いいこと考えたっ!!
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