恋を

□あつみなちゃん
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Atsuko said.

「あっ」

学校帰り、少し前にみつけた小さな背中

そこにめがけて走り出す

「つかまえたー!!」

「わっ!!
びっくりした…」

「もーなんで先に帰るんだよー…」

「ご、ごめんなさい…」

1つ下のたかみな。
特に接点があったわけじゃないけど、体育祭の時に1年生にもかかわらずせっせと働いてる姿に釘付けになって、種目ではダメダメなところも微笑ましくて
いわゆる片想い中

「いつも教室か下駄箱で待っててって言ってるじゃんかー!」

「待ってたんですけど、来なかったから…」

「くるまで待っててよー」

「夜になるまで?」

「うん!!」

「むりっすよ笑」

たかみなの少年みたいな笑顔はキュンとするんだ

「たかみな、私モテるんだよ?」

「??」

だからはやく捕まえて

「前田先輩がモテるのは誰でもわかりますよ!」

たくさん食べるけどってニコニコしながら言うたかみな

「食べるの大好きなんだからしょうがないじゃんかー!
ちゃんと夜は控えてる!」

「影での努力タイプですか笑」

「もー!
たーかーみーなー」

たかみなの腕に自分の腕を絡ませたらわかりやすく動揺した

「ま、前田先輩っ」

「好きなのに…」

「///」

ほっぺにちゅっとキスすると耳まで真っ赤になった

「好きにならないように抑えてたのに…」

「え?」

「前田先輩には大島先輩がいるから…」

「優子?」

「前田先輩と大島先輩は付き合ってるって1年では有名な話ですよ?
だから好きになったらだめってわかってるのに前田先輩があんなことするから…」

「ま、まって!!」

私、優子と付き合ってるの!?

「私誰とも付き合ってないよ?」

「え?」

「優子は幼馴染みで恋人じゃない…」

「え!?」

「私が好きなのはたかみなだけだよ?」

顔がコロコロ変わるたかみな

そんなところも好きに思える

「なら前田先輩のこと好きになってもいいんですか!?」

「逆に好きになってくれるの?」

「当たり前じゃないですか!!」

ってか、初めて見た時から好きでした!
って言ってくれるたかみな

「もー…それなら早くいえよー…」

「だって、からかわれてるかと…」

「なわけないでしょ」

たかみなのおでこにデコピンすると

「付き合ってください」

って満面の笑みで言ってきた

「お願いします」

「こちらこそお願いします」

はいって手を出すと繋いでくれた

「あ、前田先輩呼び禁止ね」

にこって笑っていうと

「えぇ!?」

むりだーってうなだれるたかみな

「敦子って呼んでね?」

「あ、あつこ…」

うん、悪くない

-end-

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