好きな人。

□Episode 3
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「名無しおそいー!!」

「んーごめんな?」

「なんやったん?」

「告白された。」

「え、告白!?誰に!?」

「渡辺美優紀ちゃん」

「みるきー!?」


みるきー?
それ某お菓子やん


「みるきーに告白されたん!?
なぁ、ほんまに!?」

「ほんまほんま
やけど、みるきーって言うても甘くないで
キスされそうになったし」

「名無し、したん?」

「誰がされるか
ファーストキス取られよーたわ」

「みるきーにキスされるとか羨ましいー♡!」


ホワンホワンしとるまーちゅんやけど、なんも羨ましいことなんかあらへんわ


「なぁ、はよ見に行こーや」

「みるきーに告白されたからって調子乗りやがって」

「乗ってへんわ」


最初はかわいいっておもったけど、普通に怖かったし


「名無しのライバルの彩さん見に行くか」


やっと元に戻ってくれたまーちゅんを連れて体育館に行った


「「キャー!!」」


耳にキーンと響く声。


「うるさ…」


ギャラリーにたくさんの女の子たち


「これ、みんな彩さんのファンの子たちやで」

「全部!?」

「そう、全部。
なにしろ学校1のイケメンやからな」


山本彩。
とんでもない人なんかな
こんな私が勝てるわけないよな…


「彩さんの人気ハンパないなぁ」

「あっ」

「ん?
名無しどしたん?」

「なぁ、あの人って…?」


さっき助けてくれた人、バスケ部やったんや


「名無し、見た事あったん?」

「え、誰を?」

「誰をって彩さん。
あれ、彩さんやん」

「え…?」

「名無し?」

「さっき美優紀ちゃんから助けてもらったの、あの人…」


山本彩を指さすと向こうもこっちに気づいたようで、こっちに向かってきた


「やばい、まーちゅんどないしよっ…」

「いや、茉由に聞かれても」

「やばい、やばい」


アタフタしとるとあっという間に山本彩が目の前に来た


「あんた、さっきの子やんな?
大丈夫やった?」

「あ、その、、大丈夫です」


近くで見る山本彩は学校1のイケメンって言われるだけあって不覚にもかっこいいと思ってしまった


「名前、聞いてへんかったよな
なんて言うん?」

「ななし名無し、です」

「名無しちゃんか」

「私、名無しの友達の小笠原茉由です!!」

「おー勢いええなぁ笑」

「あの、さっきはほんまにありがとうございました。」

「あーかまへんかまへん
それより、ちゃんと危険感じたら大声で助け呼ばなあかんで?」

「はい」

「ん、いい子やな」


頭をポンポンされて顔の熱が一気に上がった

こんなの好きやなくても好きになりそうになるわ


「んじゃ、あたし戻るな」

「が、頑張ってください」

「ん、ありがと」


少年みたいに笑う山本彩に少しだけ胸がキュンとした。


continue...
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