好きな人。

□Episode 10
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バスに乗って30分しか経ってへんのに気持ち悪くなってきた…
ちゃんと薬飲んだよな…?


「ん…」


やばい、ハンパなく気持ち悪い…
今更席変わって欲しいとかむりやんな


「名無し?」

「さ、やかさん…」

「大丈夫?やないよな」

「だいじょぶ、です…」

「アホか、無理言われな」


彩さんごめんなさい。
彩さんはバスを1回止めてくれて一緒に一番前の席に座ってくれた


「ホンマ、ごめんなさい…」

「薬持っとんやろ?飲み物あげるから飲み?」

「はい…」


彩さんからお茶をもらって薬を飲んだ


「すぐすぐ効かんやろ、寝れる?」

「むり、です…」

「やんな…」

「あ、あの…」

「ん?」

「話とったら気が紛れんで…」

「話しよーか」

「ありがとうございます…」

「ええからええから!」


ポンポンと頭に触れられてドキドキした

私、頭ポンポンに弱いんやな…


「名無しの事教えてや」

「私のことですか?」

「うん。なんも知らへんねん」

「あーわかりました」


誕生日、血液型、家族構成、まーちゅんとの出会いを話した


「名無しの事やっと知れたわ」

「そうですか?」

「うん
自分から話したりせーへんやろ?」

「当たり前ですよ
普通自分から話したりしません」

「はは、せやな笑」


彩さんの笑顔、少年みたいでキュンとする
変なところにできる皺も可愛い
やっぱり優しいところもあるし、少しだけモテる意味がわかるわ


「名無し?」

「あ、ごめんなさい!」


ポケーッと彩さんの顔を見とってしまった


「全然ええけど笑」

「彩さん」

「彩、やろ?」

「え…?」

「いつの間にか彩さんって呼んどるやん」

「だ、だって!」

「名無しちゃんって呼ぶで?」


ニヤニヤ見てくる彩さん
絶対この人Sやんか!!


「他の人は彩さんって呼んどるやないですか!」

「名無しは彩って呼んでくれるんやろ?」

「そんなのできません!」

「なら彩以外で呼んだらちゅうするで?」


はっ!?


「変態っ!!」

「彩って呼んでな」

「ムリです!!」

「ちゅうされたいん?笑」


さいてー…
ニヤニヤする彩さん
モテる意味がわかるって言ったけどやっぱりわからへん!!


continue...
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