恋を

□おんなのこ
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「菜々ちゃん、今日も可愛い!」

「菜々ちゃーん!!」

「菜々ちゃん、今日出かけよーよ!」


周りにたかってくる子たち
正直どーやって反応したらいいかわからへんから少し困るんやけど、やっぱり嫌でわないからそのままでおってしまうねん


「ごめんなぁ
私今日バイトやねん…」

「そっかぁ、、」

「また明日な?
明日なら予定なんもないねん」

「わかった!!」

「あの、そこあたしの席なんやけど…」


明日ほんまに予定なかったかな??
って考えてると後ろの席に山本さんがきとった


「え?
あ、ごめん」


山本さんの席に座っとった子は立って私の横にきたんやけど、やっぱり教室までこられるとクラスの人の迷惑になんねんな…


「山本さん、ごめんな?」

「別に、山田さんが謝ることやないしな」


ショートカットで黒髪の山本さんが前髪のあいだから見てきた


「山本さんってなんか、目立たないよね」

「確かに!
いっつも本読んでるもんね」


1人の子が言うと周りの子まで言い出す

みんな同じクラスやないから山本さんのことわからんねんな…

山本さん、めっちゃ頭いいねんで
スポーツもうまいし
勉強もスポーツもできるねん


(キーンコーンカーンコーン


「あ、チャイムなっちゃった
じゃ、菜々ちゃんまた後でねー!!」


ぞろぞろとみんな帰って行って後ろの山本さんをみる


「なに?」

「いや、さっき言われてたやん?
やから気になって…」

「山田さんもそーおもっとるんやろ」

「え?」

「目立たん地味子やって思っとんやろ?」

「私はそんなこと思ってないで?」

「あたしは地味子やで」

「私、知ってんねんで
山本さんがスポーツも勉強もできること」

「やけど地味子やのにはかわりないやん」

「いや、私は地味子やなんて思ってへん!」

「変な奴笑」


席が前後やのに全然話したことなかったんやけど、山本さん意外と喋ってくれるんや!


「…なんでいつも笑わんの??」

「は?」

「山本さんの笑顔、素敵やで?」

「あんた、頭おかしいんちゃうん?」

「あんたやない
山田菜々や」

「はいはい
山田さん頭おかしいやろ」

「山本…彩ちゃんやんな??」

「うん」

「彩ちゃん、もっといろんな人としゃべればいいのに」

「何言ってん?
こんなやつに話しかけられても嬉しくないやろ」

「私は彩ちゃんと話せて嬉しかったで??」

「彩ちゃんってやめてくれへん?」

「なら彩な!」

「勝手に呼び捨てにすんなや」

「私のことも呼び捨てでいいで!!」

「なら山田な」

「なんでそっちなん?
普通下の名前やろ…」

「山田、あんた意外といいやつやんな」

「…へ?」


急に褒めるとかどしたん??
さっきまであんなにツンツンしよったのに


「学園のアイドルやからもっと性格悪いんかと思ったわ」

「私、学園のアイドルなん??」

「そこから?笑」


彩はころころ表情変えるかなぁ
真剣かと思えばいきなり笑ったり
表情豊かやな


「私は彩のがアイドルにむいとると思うで?
あ、アイドルやなくてプリンスやんな笑」

「あたしは女や!」

「この髪型、似合ってんで」


彩の髪の毛を触りながら言うと髪の隙間から赤くなっとる耳が見えた

かわいいとこもあんねんな


「彩ちゃん、やっぱり女の子やなぁ笑」


笑いながら言うとデコピンされた


「うるさいわっ!」

「いったぁ〜…」

「あはは、大仏みたいになっとるで笑」


人のオデコを指さして爆笑する彩

変なところにできるシワが愛おしく思えたのは多分気のせい。

そして、これから恋に発展していくなんて誰も思ってへんかった


-END-

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