恋を

□名無しのラブレター
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「おい、山田」

「んぅ…」

「授業、終わったで?」

「んん…」


あ、寝とったんか…


「あれ?みんなは?」

「もぉ帰ったわ
あんた起こしよる間に!」

「えっ!!」

「寝すぎやし、起きひんし」

「ご、ごめん…」


私、昼1の授業からずっと寝とったんや…


「えーからえーから!
よし、帰るで!」

「うん!!」


あ、ポケットの紙、どーしよ…


「山田??」

「あ、ごめん」


急いで彩のところに行った


「今日の夜、何食べたい??」

「んー…山田が作るんならなんでも食べたい」

「な、なんでもが1番困るんやけど…」

「ならオムライス!」

「わかった!」


彩の家に帰って荷物を置いて台所に立ったけど、ポケットの紙に気づいて
部屋で待っとると彩のところに行った


「さ、彩…」

「ん?」

「これ…」

「え?」

「今日のお昼にもらってん…」

「うん」

「読んであげてな!!」


急いで台所に行ってオムライスを2つ作った


「彩ーできたでー?」


声をかけるのに返事がない…


「彩ー!!」

「…でかい声で叫びすぎやねん」

「あ、おったん?」

「ひどいやつやな」

「ごめんごめん」

「はよ食べよーや」


お腹減ったねんって椅子に座る彩

もしかして、読まずに捨てたんかな…?
まぁ、それはそれでなかったことに…


「山田、先に食うで??」

「行くから待ってー」


まぁ、それもそれでありやんな…

彩の向かい合わせで座った


「また腕あげたなぁ!!」


うまい!って私の好きな笑顔で言ってくれた彩

ほんとに美味しかったのかあっという間になくなったオムライス


「あんた、食べるの遅いなぁ」

「うるさいー!」


急いで口の中につめて食器をさげた

私がご飯を作ったらだいたい彩が洗い物をしてくれる

今日だって


「さっきくれたやつの、1人気になったんやけど」


さ、さっきのって手紙のことやんな…


「うん…」

「その子、名前書いてなかったんよな」


ノートの切れ端に書いとった子なんやけどってニヤニヤしながら言ってくる彩


「えっ!?」


もしかして、彩気づいてるん…?


「あれれ?
菜々ちゃんどしたん??」


ニヤニヤして聞いてくる彩


「もぉ、ほんま嫌い…」

「はぁ!?
好きって書いたり嫌いって言ったり
あんたはなんやねん」


洗い物が終わったのか手を拭いてこっちにくる彩


「わかっとるのに意地悪やんか…」

「名前書かずにラブレター渡す方が悪いんやろ??」


まぁ、あんたの字は見慣れてるからすぐわかるけどな
って頭をかきながら言う彩は少し照れとる時の癖


「山田、あたしあんたのことずっと好きやわ」

「私も!!」

「うん、知っとる」

「ずっと彩が好きやった」

「わかったから少し黙って」

「え?」


彩の顔が近づいてきた

彩が目を閉じたのを見て私も目を閉じた


「ただいまー!!」

「わわっ!//」


触れる前に玄関の音と同時に声が聞こえた


「あら、菜々ちゃん」

「こ、こんばんわ」


遅くなるはずの彩のお母さんとお父さんが帰ってきた


「あたし、部屋に行く」

「あ、彩!」


バタバタと部屋に入った彩

来いってことやんな…


「私も彩の部屋に行きますね」

「菜々ちゃん、毎回ありがとね」

「いえいえ」


お母さんに頭を下げて彩の部屋に行った


「彩ー?」

「なんやねん」


部屋に入ると彩はベッドに座って拗ねとる


「なんでそんなに不貞腐れてるん?」

「どーせかっこ悪いって思ったんやろ」


わかりやすく拗ねる彩


「そんなこと思ってへんで?」


私の中ではいつも彩はかっこいいもん


「かっこ悪いやんか、キスするのに邪魔が入ってさ…」

「やから、彩はいつもかっこいいで?」


彩の隣に座った


「山田、、」

「彩」


彩の手が後頭部にまわってきて彩との距離が0になった


-end-
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