恋を

□減るもの
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「山田…」


彩に顔を近づけられた

キス、されるんや

だんだんと近づいてくる彩
唇がすぐそこまできとる。

だけど私は…


「別に減るもんやないし、いいやん」


顔を逸らして、彩からのキスを避けた

彩の言いたいことはわかるねん。
けど、キスしてしまったら私の中ではなにかが減るねん


「彩、もぉ暗くなるし帰ろーや?」

「ほんまや、綺麗な夕焼けやん」

「綺麗やな…
ゆっくり落ちてく…砂時計みたい」

「砂時計って笑
あんた、発想おばちゃんやん笑」

「もーうるさいー!」

「すまんすまん笑」


彩はフグになった私の頭を優しくぽんぽんしてくれた


「ほら、山田もさっさと片付けや?」

「はーい」


私が勉強道具を片付けよる時、彩は日差しを遮るためにあったカーテンを引いた

彩の横顔はいつの間にか大人になってて、私だけ取り残された感じやった


「ほら、帰るで」


彩から手を繋いできてくれて教室を出た

彩のこと、ちゃんと好きやねん
誰よりも1番好きな自信はあんねん
やけど、彩に溺れんように冷静を保たんとあかんねん

みるきーにまだキスをしてへんって言ったら、減るもんやないんやしって言ってた
やけど、絶対変わるねん。
パパに言えへんことはしたらダメやねん
まだ、汚れたくないねん


「もぉ真っ暗やな」

「ほんまや…」

「山田、こわい?」

「少しだけ…」


1人やと絶対こわい廊下
やって、みんな非常階段の緑のランプがぼんやり浮かぶ薄暗い廊下は怖いやろ?


「怖くならへんよーにしたろーか?笑」


なんて言いながら近づいてくる彩。


(チュッ


あっという間に触れた唇
その瞬間何かが減ってしまった
私にも何かわからへんものが

やけど、また唇に触れた時瞼を閉じてキスを受け入れた
愛を伝えるように降ってくる、彩からの優しいキスを

まだまだ子供やけど、背伸びして。


-END-

自己満です。笑
自分の中では今までで1番よく出来た!笑
ですが、歌詞です。
歌詞の力を借りました。笑

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