恋を

□両片想い
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「山本さん、おはよー」

「おはよーございまーす」

「身体どんな?」

「特に」

「松葉杖慣れた?」

「ぼちぼち」


3週間前、横断歩道を渡っとると信号無視した車に突っ込まれ左足骨折で、入院することになったんやけど、入院中って暇やと思っとったけど、毎日夕方になれば友だちがお見舞いに来てくれるし、可愛いナースさんが担当してくれとる。


「なぁ、退院したら遊びに行こーや」

「タイミングがあえばな」

「山田さんに合わすで」

「学校はちゃんと行きなさい」


この山田さんってナースさんが、ホンマにツボやねん
声変やけど、顔は可愛い方やし、なんてったって身体がエロい。ほんまにエロい。
誘っとるんちゃうかって勘違いするくらいエロい。


「放課後ならええの?」

「かんがえとく」

「絶対遊んでくれへんやつやん」

「そんなことあらへんよ」


山田さんと屋上にあがったり、外に出たりする為に松葉杖に慣れたのに、山田さんの反応はいつもこんな感じやねん


「彩ちゃーん!!」

「彩元気かー?」

「今日はやくない?」

「今日からテストやねん!」

「菜々ちゃん、久しぶりやな」


中庭で山田さんと話しとるとまだお昼前なのに美優紀と岸野が来てくれた
テストらしいねんけど、あたし受けてへんからやばいなぁ。


この2人は毎日のようにお見舞いに来てくれるねん
美優紀はお見舞いに来すぎて山田さんと仲良くなったくらいやし。


「みるきーたちは勉強しやんでええの?」

「そこそこ出来るしな!」

「菜々ちゃんが手取り足取り教えてくれてもええねんで?」

「なんでやねん笑」

「あ、私が菜々ちゃんに手取り足取り教えよーか?」


ニヤニヤーっと笑いながら山田さんに後ろから抱きつく美優紀
可愛いから許されるやつやで
いや、美優紀やから許されるやつや


「離れろって」

「彩ちゃんには関係あらへんやろ」

「山田さんが迷惑してんねん」

「そんなことあらへんもん!」

「そろそろ山田さん戻らなあかんねん」

「そーなん?」

「あ、うん
お昼の用意とかしやんとやから」

「ちぇーっ。」


渋々山田さんから離れる美優紀

山田さんがニコッとお礼を言って戻っていくからそれだけで今日は良い1日や!とか思ってしまう









「山本さん、お昼ご飯持ってきたで」

「おー」

「みるきーたちは?」

「帰った」

「そーなんや」

「なぁ、そろそろ名前で呼んでくれてもええんとちゃう?」


なんであたしとの時間が長いのに美優紀のことみるきーって呼んでんねん。
あたし知ってんねんで、美優紀と電話番号交換しとるの


「可愛いなぁ」

「子供扱いすんなし」

「今度から彩ちゃんって呼ぶな」


ニコニコっと笑いながら頭を撫でてくる山田さん

この人、あたしのこと好きになってくれんかな…
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