恋を

□あほ
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「なぁ!!」

「ぐへっ、」

「なんで無視して行くん」

「私に話しかけてたん?」

「しかないやろ」


後ろで彩がずっと、なぁ。って話しかけとって、無視されとるやん。可哀想やなって思っとったらいきなり襟を掴まれて変な声が出た


元カノが話しかけて来とると思わんやろ?
別れたのやって私の卒業の時なんやし、話すこととかないやん


「どしたん?」

「まだ独り身なん?」

「はぁ?」

「質問の受け答えも出来ひんくらい歳とったん?」

「…さや姉は相変わらずやな」


前みたいに彩なんて呼んでいいのだろうか。なんて考えた結果さや姉って呼ぶと不満そうに顔をしかめた


「恋人できたん?」

「残念ながら出来てへんわ」

「可哀想やな」

「さや姉は…何人もおりそうやな」

「あほか
あたし一途やわ」

「せやっけ?」

「一途やったやん」


ほんま見た目は大人っぽくなったのに、中身はあんま変わらへんのやな

拗ねた顔で言う彩は昔からなにも変わってへん


「今1人なんや」

「なんやねん
さや姉はどーなんよ」

「あたしかて1人やわ」

「ふーん
同じやん」


彩も恋人おらへんのや

でも、あれからは何人かと付き合ったんやろーな


「なぁ」

「んー?」

「…あたしじゃあかん?」


抱きしめながらそんなん言う彩の声は自信なさげで、相変わらずこーゆーとこ可愛いわ


「さやかにフラれたんやけど」

「山田に幸せになってほしかってん」

「彩と付き合っとる時、幸せそうやなかったん?」

「ちゃうやん
あんたは理想があるんやし…」

「結婚して子ども産んでってこと?」

「うん」


ほんまに可愛いと思う

なんでもかんでも自分1人で決めて、相談もしやんと決断して、、


「あほやな」

「あほかも」

「彩とおったらほんなんどーでもよかったんやけど」

「っ、」


ぎゅぅっと抱きしめてくる彩を少し離して両手で顔を包むと末っ子感丸出しの彩


「やっぱ山田がおらな、あかんねん」

「遅いねん、あほ」

「あたしが幸せにしたい」

「彩とおるだけで幸せやで」


嬉しそうに笑った彩が顔を近づけてくるけど、さっきからチラチラまおきゅんが見えてんで

まぁ、1回くらいいっか


-END-



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