しちゃいました

□浮気?
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「先にあたしの部屋行っとって
飲み物と冷やすもの持ってく」


連れてこられたのは彩の家

彩に言われた通り彩の部屋に行った

はじめの2ヶ月はよくお互いの家に行き来しとったっけ…
なんだかんだ彩の部屋に入るのは3ヶ月ぶりくらい


「え、これ…」


彩の部屋はシンプルで男の子っぽい部屋やけど、一角だけ女の子っぽいものが置いてあった

私とお揃いのキーホルダーとか、私があげたぬいぐるみとか置いてあって、その中に私とのツーショットが飾られとってん

写真は体育祭の時ので、絶対買わへんって言っとったのに…


「ふふ」

「おまたせ」

「あ、」

「写真、見たんや」


鼻の頭を親指で触るのは彩の照れた時の癖やった


「絶対買わへんって言っとったやん」

「別に関係ないやろ
座って」


お茶が入ったグラスを机の上に置いた彩は私の腕をひっぱってベッドに座らせられた


「ちょ、彩!?」


彩は潔癖症で私服でベッドとかありえへん人やのに…
潔癖症やなくても嫌やけど…


「じっとしーや」

「あ、はい…」

「冷やすのこれしかなかってん
少し冷やしたら湿布貼るわ」

「別に湿布とか大丈夫やで
彩は大袈裟やな」

「別に、あんたの顔に跡とか残ったら嫌やし」


ムスッとして言う彩にキュンってきた
けど、私はこの人に遊ばれとったんや
ときめいても同じことの繰り返しやで


「なぁ、なにも聞かへんの?」


私の前に膝立ちして、顔をのぞき込むように聞いてきた彩


「彩、キーホルダーとかちゃんと飾ってくれとったんやね
ぬいぐるみとか、キャラちゃうのに
別に無理せんでえーねんで?」


なにも聞きたくない。
真実を知るのが怖いねん。
やから話を変えたのに…


「今日会っとった子、元カノやねん」

「っ…」


そんな話したないわ…
このまま別れてくれてええのに
彩の口から真実を話されるのが怖い…


「確かに昔は遊んどったけど、今は名無しだけやで
今日あいつに会っとったんわ…」


急に黙った彩に抱きしめられた


「さ、やか…?」

「名無しにあげたいものあんねん」

「え?」


ポケットからガサガサと取り出した小さい袋


「あけてみ」


彩に渡されて素直にあけてみた


「え、これって…」

「ティファニー?やったっけ
あたしブランドとか興味ないんやけど、名無しがそのブランド好きなの聞いたことあったし、半年記念日の、プレゼント」


Tiffany & Co.のネックレスやった。
いつか私がデートの時にティファニーが好きって言ってたん覚えてたんや…
さらっと言っただけやったし、彩も興味なさそうやったやん…


「さやかぁ…」

「元カノがブランドに詳しいからついてきてもらってん
名無しが心配することは一切してへんから」

「疑ってごめんなさい…」

「名無しが見た時はあいつが躓いてあたしの腕に掴んでん
その時にちょうど見られてん」

「私…」

「けど、あたしがコソコソしとったからやから
名無しは悪くないねん
頬、叩いてしまったし…」

「それは、私がっ…」


私、彩はこんなに私のこと思ってくれとんのに、好きにならんかったらよかったなんて言ってしまった…


「私っ、ひどい事言った…」

「大丈夫やから
本心やないやろ?」

「ちゃうねんっ…
好きにならんかったらよかったなんか思ってへんもん…」

「うん、わかっとるで」

「ごめんなさい。。」

「もぉえーから」


そー言って彩の顔が近づいてきた


「名無し、好きやで」

「私も、好き…」


彩の手が頭に回ってきて、私も彩の首に腕を回した

軽く触れた唇。

まだ離したくなくて私から唇を重ねた


-END-
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