しちゃいました

□イライラしたら
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「もう少しこうできない?」

「それで、手はこーして」


今日はなにをやっても上手くいかへん日。

グラビアの撮影中にポーズの指示をされても上手いぐわいに行かへんくて、一旦休憩が入った


「はぁ。」


一言で言うと最悪な日。
自分が出来てへんだけやのに、それでイライラして、撮影が進まへんことにイライラが増す


(ピロン


目をつむって俯いたときにちょうどLINEの知らせ


ー彩、今日何時に終わりそう?


そういえば今日名無しと会う約束しとったんやった


ー撮影押しとるからわからへん。

ーせやったら先に彩の家に行っとくで?

ーうん。

ー撮影頑張ってな


こーゆー時は誰とも会わへんほうがええんやけど、前からの約束やし、大丈夫やろ


「ただいま」

「え、彩やん
おかえり。
連絡してくるか思っとったから、まだなにも作ってへんわ
ごめんな」

「別にええ」


家に帰ってソファにくつろいどった名無しがあたしを見てびっくりした


「作ってへんのやろ?
食べに行こーや」

「けど、買ってきてん」

「明日でええやん」

「うん…」


納得いってへん名無しに上着を着させてファミレスでご飯を済ませた


「彩、なんかあった?」

「別に」


帰ってテレビ見ながら落ち着いとると名無しが隣に座って話しかけてきた


「なんか変やで?」

「なんもあらへんわ」

「撮影で怒られたん?」

「なんもないって言うとるやろ!!
しつこいねん!!」

「彩!」


怒鳴って家を出ると名無しは名前を呼んだけど、追いかけてこーへんかったから、そのまま近くの公園に行った


さすがにこの季節に上着も着んとロンT1枚やと寒いな

ブランコに座ってアルバムの曲を口ずさむ


「はぁ、寒い…」


10分くらいおるんやけど、さすがに風邪ひきそうやな…
もぉなんでもええわ。
名無し怒っとるよな…
いきなり怒鳴って飛び出したんやし


「はい」

「え…」


目の前にあたしのコートが出てきて顔を上げると困った顔の名無しがおった

じわっと目頭が熱くなって顔を隠した


「彩疲れとるのにしつこくしてごめんな?」

「名無しは悪くないやんっ…」


隠したのに溢れてきて服の袖を濡らしてく


「彩、泣かんといて」

「ごめんなさい」

「彩ぁ」


名無しは泣き出したあたしにコートをかけてだきしめられた


「名無し、ごめん」

「うん、もぉええから
私もすぐこれんでごめんな?
寒かったよな
帰ろ?」


名無しに手を握られて家に帰った


「誰にだってイライラする時はあるんやから
そんなんで怒らへんよ」

「ごめんなさい」


名無しが優しすぎて抱きついた


「今度は甘えた彩ちゃん?」

「ん。」

「はは、かわええな」


そー言いながら名無しは抱きしめてくれた


-END-

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