しちゃいました

□君以外
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「菜々ー」

「名無し、いつになったらお姉ちゃんって呼んでくれるん?」

「菜々は菜々なんやから別に菜々でええやんか」


半年前、パパの再婚相手と一緒にこの家に来た5個上の菜々。
最初は菜々ちゃんって呼んどったんやけど、すぐに菜々って呼ぶようになった


「学校慣れた?」

「まだ慣れてへんなぁ」

「彩のクラスやろ?
里香ちゃんとかまーちゅんとかにいじられてんとちゃう?」

「山本さんと友達やったっけ?」

「まぁ、一応」


5個上の菜々の仕事は教師で、なんと赴任先がうちの高校やった。
まさか彩たちのクラスの副担やとは思ってへんかったけど


「山本さんと岸野さんと小笠原さんと小谷さんと山口さんでなんて言うか知ってるん?」

「俺らやろ?
学校一有名なグループやん」

「知ってたんや!」

「知っとるわ
じゃ、先行くわ」

「いってらっしゃい」


菜々にいってきますをしてから彩の待っとる公園に行った


「彩、ごめん待った?」

「大丈夫」

「行こ?」


彩と手を繋いで歩いた


「あ、そや彩」

「んー?」

「あんま山田先生のこといじめちゃあかんでー?」

「山田?」

「いじりがいがあるかもしれんけど、やりすぎたらあかんからな?」

「あーお姉ちゃんやんな」

「うん、ただのお姉ちゃん」


俺らのメンバーには山田先生がお姉ちゃんやってこと教えたら、まーちゅんにあんな先生がお姉ちゃんやったら茉由堪らへんわぁ。なんてゲスいことを言われたけど、そーゆーことは一切あらへん、ただのお姉ちゃん。


「名無し今日の放課後なんやけどさ」

「あ、ごめん
今日の放課後はちょっと…」

「用事?」

「菜々と、お姉ちゃんとママの誕プレ買いに行く約束してん」

「あ、せやったん?」

「うん、やからごめんな」

「全然ええよ」


菜々って呼んだんやけど、彩がムスってしたのを見逃さへんかったからすぐにお姉ちゃんって言い直した


「名無しって山田のこと菜々って呼んどん?」

「まぁ、、」

「お姉ちゃんでええやん」

「なんかお姉ちゃんって感じやないねん」

「でもお姉ちゃんやんか」

「彩拗ねんといて?
私、彩のことしか好きやないで?」

「あたし以外好きになったら怒るわ」


前まで彩以外呼び捨てにする人なんかおらへんかったからヤキモチやな
彩も付き合ってから呼び捨てにしたし


「名無しっ…」

「彩、ちゃんとここにおるで」


学校についてもムスッとしとる彩に腕を引かれて空き教室に連れてこられた。
彩がムスッとして空き教室に連れてくる時は抱いて欲しい時。


「名無しっ、名無しっ」

「きもち?」

「んっ、あかん…」


コクコク頷く彩の中に入っとる指を激しくすると首の後ろにまわっとる彩の腕にぎゅぅっとされて限界が近いことがわかった


「ほら、いこ?」

「い、やっ…」

「彩、好きやで」

「あた、しもっ…」

「あいしとる」

「あ、あ、あ、あぁーーーっ!」


ビクビクと震えて首にまわっとった彩の腕から力が抜けて指を抜いた


「彩、大丈夫?」

「ん」

「ほら、服着て行こ?」

「いやや」

「末っ子彩ちゃんになっちゃったやん」

「うっさい」

「ふふ、可愛い」


ブラウスの前が全開の彩のボタンを留めてあげて制服を正した


「山田とこーゆーことしたら別れるからな」

「わかっとる
彩しか抱きたいって思わへんで?」


ぎゅっと抱きしめて言えば静かになった彩。

菜々に嫉妬とか可愛すぎるやろ
彩の前やとお姉ちゃんって呼んであげようかな


-END-

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