しちゃいました

□すきとスキ
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「彩ちゃん」

「おぉ、名無し」


久しぶりの彩ちゃん。
今日はNMBでの撮影やから彩ちゃんもおる


「久しぶりやな」

「やんな」


さり気なく彩ちゃんの隣に座ったけど、大丈夫なんかな
まぁ、なにも言われへんからそのまま座っとくけど


「彩ちゃん最近もっと忙しくなったな…」

「ありがたいことに、な」

「彩ちゃんがどんどん東京に染まってくー…」

「あはは、大丈夫やって
あたしは大阪の人間や」


彩ちゃんのお仕事は東京でがほとんどやから、東京に染まって行きそうでこわい…


「彩ちゃん、あんな…」

「さや姉、ちょっと来てー!!」

「ほーい!
名無し、なに?」

「んーん、なんでもあらへん」

「そ?
ならあたし行ってくるな」

「うん」


彩ちゃんに会える時は好きって言おうと試みるのに、それは毎回誰かによって邪魔をされる。
1回遮られるという勇気がなくなって、そのまま次回に持ち越し。
それの繰り返しで自分の臆病さに嫌気がさすわ…


「名無し、隣いい?」

「ええよ」


彩ちゃんの背中を見送ると朱里ちゃんが話しかけてきた


「名無しはさや姉のこと大好きやなぁ」

「べ、別に好きとかやないしっ…」

「名無しがさや姉のこと好きなのはみんな気付いてんで?笑」

「えぇ!?」


みんなに彩ちゃんのことが好きなのバレてんの!?
そ、そんなの彩ちゃんにもバレとるってことやんな…?
無理や、立ち直れへん…


「反応面白いなぁ笑
さや姉以外みんな気付いてんで笑」

「彩ちゃん以外…?」

「さや姉は鈍感やから、気づいてへんとおもうよ?」

「そっか、彩ちゃんにはバレてへんのか」


一安心一安心。

やなくて、みんなに気付かれとるって恥ずかしい…


「なにがあたしにはバレてへんの?」

「噂をすればさや姉やん
今、名無しと2人で話しとるんやからあっち行って」

「はいはい、分かりましたよ」


私の一言が聞こえとったらしく、彩ちゃんが話に入ってこようとすると、朱里ちゃんが彩ちゃんを追っ払った


「さや姉も名無しのこと、好きなんやない?」

「絶対ないから!」

「わからへんよ?
さや姉があーやってくるの名無しだけやし」

「ありえへんから
変なこと言わんといて」

「ごめんごめん」


朱里ちゃんは私のお姉ちゃん的存在で、頼りになるけど、たまに子供扱いしてくんねん
年齢1つしか違わんのに

今やって頭を撫でながら謝ってきた


「朱里、もぉええやろ」

「さや姉また来たん?」

「あたしが先に名無しと話しとったからな」

「今は朱里と話してるやん」


彩ちゃんが朱里ちゃんと私の間に入ろうとしたから少し間をあけようとすると朱里ちゃんに腕を組まれて隙間を塞がれた


「はいはい、朱里こっちおいで」

「里香ちゃん、邪魔しやんといてよー」


朱里ちゃんと彩ちゃんの間に入った里香ちゃん。
そのまま朱里ちゃんを連れて行ってしもーた


「朱里は名無しのこと好きすぎやろ」

「私のお姉ちゃんやからな」

「あたしは?」

「え?」


朱里ちゃんはお姉ちゃん。
そう伝えると彩ちゃんが聞いてきた。


「彩ちゃんは…」


好きな人。

なんて言われへん臆病な私


「あたしは名無しにとってまだまだかぁ」

「まだまだってわけやないんやけど…」

「あたしは名無しのこと好きやで」

「へ…?」

「じゃ、戻るわ」

「え、ちょっと、待って…」


私が聞く前に戻って行った彩ちゃん

好きってなんやねん…
メンバーとしての好きとか要らへんわ!
なんて思うけど、恋愛の好きやないとしても嬉しいねんな


あーもぉ!
私やって好きやわ!!
彩ちゃんとは違う意味やけどさ。


-END-

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