しちゃいました

□好きの証明
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「彩、ここ教えて」

「それ、昨日したところやん」

「忘れちゃってん」

「はぁー…
まず、ここをこっちに動かして…」


私のノートを使って教えてくれる彩

手、綺麗やな。


「なぁ聞いとる?」

「あ、ごめん」

「あたしの顔見んでええからこっち見ーや」

「はい」


彩の顔を見とるのがバレて怒られた…

やって、伏せ目がちなのが綺麗やってん。


「…てなるわけ、わかった?」

「わかった!ありがとな!」


さすがに2回目は呆れられるかもしれへんからちゃんと聞いた


「あ、里香にも教えてや」

「お前もかよ」


彩の友達の岸野さんが来て、さっきの所をまた1から教え始めた彩

かわいい。
やっぱ好きやわ。


「へ?」

「ん?」

「今、好きって」

「え!?」


やばい、心の声がもれとった!?
やばいやばい。


「ちょっと、トイレ行ってくる!」

「おう」


赤くなっているであろう顔を手で隠しながらトイレに急いだ。

まさか口に出とるとは…


「もう顔合わされへんやん…」


パニックになって言い訳も出来ひんかったし、絶対変なヤツやと思われとる…


「名無しー?もう授業始まんで?」

「さ、彩!?」

「保健室行っとく?」

「や、だいじょーぶ」

「ほんなら先行っとくな」

「はい」


わざわざ呼びに来てくれたんや…

彩には悪いけどこの授業サボろうかな。


「名無し」

「ん、さやか…?」

「もうお昼やで。」

「うっそ…」


あのあと、結局保健室に行ってベッドを借りると眠気が襲ってきてお昼まで眠ってしまったらしい。


「大丈夫か?」

「大丈夫やけど」

「ならご飯食べよーや」

「うん」


なんか、普通に接されるのもな…

あ、せやあれも夢やったんや!
そーやそーや!
やから彩も普通なんや!


「名無し、まだ体調悪いん?」

「全然!はよご飯食べよーやー」

「なぁ。」

「んー?」


保健室から出ようとすると呼び止められた。


「さっきの、なんなん?」

「さっきのって?」

「好きやわってやつ」

「えぇぇぇぇ!?」


ゆ、夢やなかった…
しかも2人っきりの時に聞かれるとは…


「なぁ教えてや」

「な、なんやろなぁ」

「名無し」

「はよせなご飯食べる時間無くなるで」


ドアと彩に挟まれて動かれへんくなってしまった…


「逃げるんや」

「別に逃げとるわけやないけど…」

「あたしは好きやで、名無しのこと。」

「私の好きはそんなんやない…」

「え?」

「彩のこと友達として見られへん」

「ならあたしと同じやん」

「へ?」

「あたしも名無しのこと友達として見られへんよ?」

「うそ、や」

「ほんまやって」


証明しよか?って言いながら近づいてくる彩の顔。


「キス、するん?」

「したい?」

「うん…」


ニヤっと笑った彩にキスされた。


-END-

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