しちゃいました

□好きになる
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お試しでもええよ



「名無しちゃん、いつになったら遊んでくれるん?」

「もう遊ばへんって言うてるやんか。」

「でも名無しちゃんやって溜まっとるやろ?」

「溜まってへんから帰ってや」

「つれへんなぁ」


彩がトイレに行ってすぐみるきーが彩の席に座ってきた。

そろそろ彩が帰ってくるからさっさおらんくなってほしいんやけど


「あ、山本さん帰ってきたで」


みるきーが教えてくれてドアの方を見るとずいっと目の前にみるきーの顔が広がった


「ぇ、」

「えへへ、ちゅうしちゃった」


ちゅっと音を立てて離れていったみるきー。


「なにすんねん!」

「別にええやん」

「あかんわ!」

「山本さんやって気にしてへんよな?」

「彩っ!?」


みるきーがドアに向かって言うとそこから彩が出てきた


「山本さんって名無しちゃんのこと好きやないもんな?」

「彩、さっきのはみるきーが勝手に…!!」

「別に、あたしには関係あらへんし」

「ほら山本さんは関係ないって」

「彩っ!!」


私と目を合わせずに去っていった彩。


「名無しちゃん遊ぼ?」

「いやや
もう遊ばへんから来やんといて」

「あ、待ってや」


ニコニコしながら見てくるみるきーをおいて彩を追いかけた

彩が行きそうなところなんかわからへんけど…


「名無しどしたん?」

「里香!ええとこにおった!」

「え、なになに」

「彩知らへん?」

「知らへんけど…
なんかあったん?」

「ちょっと…」

「中学のころはよく屋上におったけど」

「屋上か…ありがと!」

「何があったかわからへんけど、仲直りしーよ?」

「はいはい」


里香にお礼をいって屋上に急いだ


「おった。」

「なんで来んねん」


屋上のドアを開けると柵に手をついて空を見上げとる彩がおった


「彩がおらんくなるからやろ」

「あんたには関係ないやろ」

「あるわ!!」

「別に本気で付き合っとる訳やないのにアホちゃう」

「私は本気で付き合っとる」

「あっそ」

「彩やって私の事好きって言うてくれたやんか」

「覚えてへん」


ぷいっとそっぽ向いた彩。


「ほんまに嬉しかってん。
好きになってくれたことが」

「やのに渡辺さんとキスしたやんか」

「されると思ってへんかってん。言い訳かもしれへんけど事故やねん」

「あんたに相手してほしい子はたくさんおるやんか
こんな可愛くないあたしやなくてもええやん」

「彩は可愛いよ
私が出会った中で一番可愛い」


彩の顔を両手で包んで目を見るとカーッと赤くなった。


「なら他の子と遊ばんといて」

「遊んでへんよ?
信じられへん?」

「べつに…」


仔犬みたいな顔して下を向いた彩


「ちょっと待っといて」

「え、ちょっと!!」
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