しちゃいました

□ひみつ
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「おはようございます」


挨拶はちゃんとしとるけど、そのまま誰とも話さずにメイクに向かう名無しさん


「名無しちゃんおはよう」

「ちょっと珠理奈」

「いいじゃんちょっとだけー」

「だめ。」


珠理奈さんに後ろから抱きつかれても微動だにせずメイクを進める名無しさん

名無しさんはAKBさんの初期メンであたしより年下の大先輩さん


「名無しさん、ダンスがわかんないところがあるんですけど教えてくれませんか…?」

「うん、いいよ
メイク終わったら行くからちょっと待っててくれる?」

「はい!」


後輩にも慕われとって、名無しさんを目標にしとる人も多いはず。

メイクをぱぱっと終わらせて後輩に教えに行った名無しさん。

優子さんとダブルセンターでシンメトリーも出来るくらいダンスに迫力があって、やけど自分に憧れとる後輩はおらへんなんて控えめなのかネガティブなのか…


「ありがとうございました!」

「んーん、手が少しかたいからもう少し柔らかくした方がもっとよく出来ると思うよ」

「わかりました!」


ダンスを教え終わって楽屋の隅の方に座った名無しさん


よし、いつもの定位置やな


「名無しさん」

「あ、さや姉」

「お隣いいですか?」

「ええよー」


でた、関西弁!


大阪出身の名無しさんなんやけど、普段は全く関西弁を話さへんからあたしと話す時だけ出てくる関西弁はかなりレアらしい

他のメンバーもこっそり耳を立てて聞いとるってこないだ指原さんが言うとった


「こないだ優ちゃんが私のカバン隠して帰っちゃってん」

「え、大丈夫やったんですか?」

「優ちゃんが隠したの知らへんくて、めっちゃ探したんやけど出てこーへんくて
そしたら少しして優ちゃんから隠したの忘れてたーって電話かかってきてん」

「優子さんやりますね笑」

「ほんま、携帯も入っとったからそれで見つかったんやけどな笑」

「なんで隠されたんですか?」

「知らへん笑」


あたしと話す時は自分から話してくれる名無しさん。

自慢やないけど他のメンバーと話しとる時にこんなに話す名無しさんは見られへんからなぁ


他にあたししか見られへん名無しさんは…
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