しちゃいました

□ママの元カノ
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「名無し久しぶり」

「お、彩やん!!
ママなら買い物に行ってんで!」


山田の家に行くと子供の名無しが外で遊んどった

中2やった気がするけど、中学生でこのルックスはあかんやろ
山田に似とるし
まぁ声はまともやけど笑


山田とは元恋人同士で今はただの友達
高校出て東京に行った山田は2年後子供を連れてかえってきた


「ほんならあたしと遊ぶか」

「ええやん!
バスケしよーや、バスケ!」

「ボールあるん?」

「あんで
行こーや!!」


あたしの手を引いて家の前の公園に走った名無し
あの人に似て運動はできるんやな
山田に似たら大変やったなぁ笑


「1対1な!
彩上手いんやろ?
私ボールな笑」

「学生時代はバスケ部やったからなぁ
手加減せーへんよ?笑」


ドリブルしながら近づいてきた名無し

びっくりするくらい山田似やな


「ぼーっとしとると負けんで?」

「あんたに負ける気はせーへんわぁ笑」


ニヤッとわらってレイアップした名無しの手からボールを奪ってスリーポイントからボールを放った


「あぁ!!」

「あたしに勝とうなんてまだはやいで笑」

「大人気ないで!!」

「えー?笑」

「名無しー!!」

「ママ!」

「あ、さや姉もおるやん
遊んでもらっとったん?」

「せやねん
やけど、彩手加減してくれへんのよ?
ひどないん」

「こら、彩やないやろ?」

「さや姉が!!」


山田はあたしを彩と呼ばせへん

なんでかはわからへんけど
あたしは別に彩でええって言うとるのに。


「さや姉昔から負けず嫌いやったからな」

「別にそんなんとちゃうし」

「ふふ、せやったなぁ」


ニコニコ笑いながら頭を撫でてきた山田

やめーや、あほ。


「私、友達と約束してるんやった
また帰るときLINEするな!」

「え、ちょっ、
もぉー…」

「まぁまぁ遊びたい年頃やん」


チャリンコに乗って勢いよく漕いで行った名無し


「今まではそこまで遊びに行かへんかったんやけどな
最近はあの人がよく帰ってくるから遊びに行くことが多くなってん」

「関係あらへんやろ
恋人やない?」

「え、名無しに恋人おんの!?」

「いや、知らへんけど」

「いややぁ
もうそんな年頃かぁ…」


もうそんな年頃ってそら中2にもなれば恋人の1人や2人はおるやろ


「お茶、飲んでく?」

「あー…」

「あの人ならまだおらへんよ」

「別にそーゆーわけや」

「わかっとるで
さや姉もあの人のこと苦手なんやろ?」

「べつに。」


苦手とかやなくて、普通に嫌いなだけ。
あたしが無理やったことをいとも簡単にやったあの人が。













「ただいま」

「おかえり
遅かったやん」


家に帰ると彩が玄関まで出てきてくれた


「話がつきひんかってん
彩まだおったんやな」

「あんたのママがお酒飲んで寝てしまってん
帰るまで待っとったげてって」

「ありがとな」


ママに聞いたことがある。
彩と付き合っとった時があったって
やけど叶わへん恋やったからパパと結婚したらしい

彩も彩で今もママのことが好きなんやと思う


「お風呂行ってき」

「彩帰んの?」

「あんたが寝るくらいにな」

「ほんならずっと起きとくな」

「あほ笑
はよ入ってき」


ぐしゃっと頭を撫でてきた彩にキュンとしながらお風呂に入った


「ずっと好きなんやけどな…」


小さい時から遊んでくれとる彩に恋心を抱いたのは小学校を卒業する少し前

やけど彩もママのことが好きなの知っとるしママもまだ彩が好きやと思うから私が一肌脱いであげてん

パパなんかやめて彩にすればええのに。


「名無しー」

「きゃぁ、ちょっと!
いきなり開けんといてや!!」

「わりぃわりぃ笑」


ガチャっとドアを開けてきた彩に急いでお湯に浸かって隠れた

笑いながら謝る彩にしょうがなく許すけど…


「お風呂出たらなんか食べる?」

「あー軽くなら」

「了解」

「はよ閉めてや」

「はいはい
あ、せや」

「なに?」

「もっと肉ついた方が抱き心地ええと思うけど」

「なっ!!」


なんやねん!!
人のお風呂覗いて肉ついた方が抱き心地いいって!!

けど、もう少しだけお肉ついてもええんかもな…

別に彩に言われたからとかやないけど。


-END-

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