しちゃいました

□レンカノ
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「あ、いた!」

「ぁ…」


あたしの事を見て笑顔で駆けてくる女の子


「山本彩さん?」

「そうです」

「はじめまして
ななし名無しです」

「はじめまして」

「なら行こっか」

「は、はい」


なんの躊躇いもなく腕を組んできたななしさん

周りを歩く人はみんなななしさんに釘付け
そりゃこんなスタイル良くて天使みたいな子がおったらみんな見るでな













「レンタル彼女ぉ!?」

「せやねん
むっちゃ可愛い子おるんやけど、その子の被害に遭った人が多いねん」

「それをあたしに言うてどうすんねん」


友達の小笠原茉由にタチの悪い女がおると相談されてよくよく話を聞くとレンタル彼女ってやつらしい。


「彩ならその子のこと落とせるんやないかなって」

「落としてどーすんねん」

「これ以上茉由みたいな子を増やさん為にもなんとかしてくれんかなぁって」

「はぁ?
そんなん無理やろ」


まず、レンタル彼女ってなんやねん


「彩なら落とせると思ったんやけどなぁ
やっぱ彩でも無理なんや」

「は、別に余裕で落とせるけど」

「彩ならそーくると思った
日曜、駅前で10時に待ち合わせな」

「ちょっ!!」


はめられた。

あんなこと言われたらのってしまうやろ、普通…
さすが昔からの友達やって感心してしまうわ。


それで初めに戻るんやけど
この子、ほんまに可愛いし、どっちかというと余裕でストライクゾーンど真ん中
デートの予定は茉由が送ってくれとるからそれに合わせて進めていくだけやけど、いちいち仕草が可愛い


「彩さん?」

「あ、なんやっけ」

「もーちゃんと聞いててよー」

「ごめん」


左手に繋がれたななしさんの手がぎゅっと握られてドキドキする

この子、ほんまにタチ悪いわ。


「送られてきた予定全部終わったけどまだ30分残ってるからどーする?」

「あーそこらへんのカフェにでも入る?」

「わかったぁ」


くしゃっと笑ってあたしの横を歩くななしさん


「ななしさんって大学生?」

「名無しでいいよ?
大学1年生だよ」

「ならあたしと同じやん」

「ふふ、家ここらへん?」

「いや2駅離れたところ」

「なら私と同じかもしれないね」


ニコッて…
そりゃこんな笑顔向けられたら誰でも好きになるって


「ほんなら今日はありがとな」

「いえ、私こそありがとう」

「気をつけて」

「うん
またね!」


最後にあたしの手をぎゅっと握って離れていった名無しさん

お金は茉由が払ってくれとるらしいけど、お金出してまであんな子とデートする気持ちがわかる気がしてきた。
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