しちゃいました

□姉ちゃんと妹
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「山本さん、これ落としたで」

「あ、ありがとな」


昨日で明けた夏休みで来た転校生があたしの隣の席になったんやけど、昨日はなんも話してへんからいきなり話しかけられてびっくりした


「えっと、さやかちゃんやっけ?」

「せやけど」

「へへ、ちゃんと覚えれとった」

「教えたっけ?」

「んーん、みるきーたちが呼んどったから」


もうみるきーって呼ぶくらい仲良くなったんや
まぁ美優紀は半端ないコミュ力やもんな


「さやかでええよ」

「わかった
ほんなら私も名無しでええよ」

「うん」

「あの、よかったら教科書見せてくれへん…?」

「あ、まだ届いてへんの?」

「せやねん
明日には届くと思うやけど…」

「ええよ
机くっつける?」

「うん!」


めっちゃ笑顔で頷いた名無し。
胸が鳴ったけど、多分気のせいやろ


それから名無しと一緒に過ごすようになった














「さやか!!」

「どしたん、朝から元気やん」

「えへへ、好きな人と話せてん」

「よかったやん」


名無しは1個上に好きな人がおるらしく、誰かは教えてくれへんけど、こーゆー話はするようになった

あたしはそんな名無しのこと好きになったんやけどな


「彩、お姉さんがお弁当取りに来てって言うとったでー」

「ほーい」

「彩のお姉ちゃん1個上やんな」

「せやで」

「ええなぁ」

「…ついてくる?」

「行く!」


見るだけでええんやけどなって笑いながらあたしの隣を歩く名無し

名無しのことを見てコソコソ話す人たちに少し優越感


「姉ちゃん」

「あ、さやかぁ
お弁当忘れたらあかんやろ」

「ごめんごめん」

「あ、名無しちゃん?」

「な、菜々さん…」

「名無しちゃんって彩の友達やったん?」

「ここ、知り合いなん?」

「普通に喋るくらいやんな?」


姉ちゃんが名無しの名前を呼ぶからびっくりしたけど、名無しも名無しで反応おかしいし

え、もしかして…


「名無しの好きな人って姉ちゃんなん?」


名無しの耳元で話すとコクッと頷いた

まじか。。


「ん?」

「いや、なんもあらへん
ほんならお弁当ありがとな」

「はーい
名無しちゃんまたな」

「失礼します」


姉ちゃんにぺこっと頭を下げた名無し
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