しちゃいました
□けんか
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「彩なんかもう知らん!!」
「名無しのって知らんかっただけやんか!」
「知らん知らん知らん知らん」
「ほんならあたしも知らんからな!!」
1週間前、楽屋に置いてあったゼリーを食べたら彼女の名無しのやったらしく、むちゃくちゃ怒られて、あたしもあたしでそんなに怒られる意味がわからんくて喧嘩になってしもーた。
1週間たった今も名無しは機嫌直す気はないらしく、あたしに近付こうともせんくて原因を知っとるメンバーはそんなあたしらを見て苦笑い状態
こーゆー時に限ってNMBでの仕事が連チャンなんよな…
「さやかちゃん」
「ゆーりぃ」
「いい加減仲直りして」
「それは…」
「名無しの性格分かってますよね?」
名無しは素直になれへんくて、楽屋でくっつくのもあたしからってくらい消極的
付き合う前やってあたしのことガン見する癖にあたしが名無しの方見たら何も無かったかのようにそっぽ向いて同期と話したり、楽屋ではほんまに関わりなくて、告白された時はほんまにこいつあたしのこと好きなん?って思った
よくよく考えれば告白してくれた時が最初で最後の勇気出してくれた感じなんかな。
「はぁ。」
「ゆーり、どーしよ」
「そーですね
名無しの前で土下座したら許してくれるんじゃないですか?」
「ほんま?」
「うそです」
「なんでそんなこと言うんよ」
名無しはゆーりと同期やからなんかアドバイスくれるかなって聞いてみたのに、土下座したら許してくれるっていわれてほんまにやろうと思ったのに
「名無しのこと泣かしたから」
「ぇ、?」
「喧嘩した日、仕事終わったあと名無し泣いてました。」
「うそ…」
「名無しのこと泣かすんなら私にください」
「ゆう、り?」
「彩ちゃんより名無しのこと好きな自信あります。
私も名無しのこと好きなのに、名無しも彩ちゃんも相談してきて、この気持ちは隠さないとって思ってました
でも、今の彩ちゃんからなら奪えれる自信あります」
ゆーりが名無しのこと好きとか知らへんかった…
名無しとゆーりが仲良いのは知っとったけど、まさかゆーりがそんなこと思っとったなんて
「わたしは絶対泣かしません」
「ちょ、ゆーり!」
ライバルって知ったのにかっこいいと思ってしまった
ゆーりは名無しの隣にいって楽しそうに会話に入ったし、、
あたしから謝らんといけんって分かっとるけど…
「お疲れ様でしたー」
結局、仕事が終わっても名無しと話すことも目が合うこともなく、ゆーりが名無しと一緒に帰って行った
「さや姉、ゆーりに取られるんじゃない?」
「わかっとるけど…」
「ゆーりの気持ちにやっと気づいたんやね」
「いや、気付かへんかったから本人に言われた」
「宣戦布告?」
「かもしれへん。」
朱里はこーみえて楽屋のことなんだかんだ理解しとるらしく、ゆーりの気持ちも気付いとったらしい
明日こそ名無しと仲直りせんとほんまにゆーりに取られるかもしれへん。