しちゃいました
□たんじょうび
1ページ/2ページ
「名無し、おめでと」
「え、覚えとったん?」
「うん」
「ふふ、ありがとな」
好きやから覚えとったんやで、なんて言えたらええのに言われへんのは名無しに好きな人がおるから
「プレゼント、もらえた?」
「んーん
誰からも貰えてへん笑」
「かわいそうやな」
「彩ちょーだい笑」
ほんまは用意しとるけど、やっぱ1番にもらいたいのは好きな人からやと思うから…
あたしが先に渡したらかわいそうやし
いや、でもタイミング無くなったら渡されへんくなるよな。
「はい、席ついてー」
渡そうと鞄の中に手を入れたら先生が来てしまった
「名無しちゃん、おたおめー!!」
「ちょ、みるきー」
「誕生日プレゼントはわ♡た♡し♡」
「はいはい笑」
「もっと喜んでやぁ」
ホームルームが終わって隣のクラスの渡辺美優紀が入ってきてすぐ名無しに抱きついた
「はい、プレゼントあるで」
「え、ちょっと!」
「ん?」
「大きすぎやろ」
「私からの愛の大きさやで」
「いらんいらん笑」
美優紀が渡したのは机サイズの箱
これ持って帰るの大変やで…
あの2人のとこだけ空気がピンクなんやけど。
え、もしかして名無しの好きな人って美優紀なん?
「名無し、茉由からもあんで!」
「下着かよ笑」
「名無しに似合いそうやなって買ってん」
「いや、下着って」
「絶対着てな」
「ん、ありがとう笑」
茉由があげた袋の中には赤の下着が入っとったらしく、クラス中からクスクス聞こえてきた
「名無しー!おめでとー!!」
「朱里ありがとー」
「これ、あげる!」
「なにこれ!めっちゃ可愛い!」
「名無し好きそうやから」
「ありがとー!!」
朱里から貰っとったのはBluetoothスピーカーやった
さすが朱里やな、デザインがおしゃれ
あたし、渡すタイミングなくなったやん。。