しちゃいました

□可愛いって罪
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「お疲れ様でした」

「「「お疲れ様でした!!」」」


ライブ終わり、反省会も終わって彩の掛け声でみんな着替えたり写真を撮ったりし始めた


「名無し、写真撮ろ」

「え、いややわぁ」

「名無し来てー」

「すぐ行くー!
ほんならお疲れ様」

「うん…」


最近の彩は可愛すぎてまともに話すのもあかんのに、写真撮るってなったらライブ終わりのテンションで何するかわからん離れとかな

って、結局好きって言われへんから嫌われんように距離感保っとるだけなんやけどな。


彩の頭を撫でて朱里の所にいくと写メ会のようにいろんなメンバーとツーショットを撮った


「名無しさん、お願いがあるんですけど」

「なにー?」


ひと段落して、着替えようかなーって更衣室に入ると三田が近づいてきた


「彩さんとツーショット撮らせてください」

「え、」

「さや名無しが好きなんです」

「ええよ、はい」


せっかく彩から離れたのに…って考えとると、後ろから抱きつかれた


「さやか」

「あたしとも撮ってくれたってええやろ」

「まぁ、ええけど」

「ありがとうございます!!」


写真を撮らしてあげると満足そうに他の子と撮りに行った三田。


「なんで逃げるん?」

「別に逃げてへんけど」

「今やって距離あるやんか」


更衣室に入ったから当たり前に脱ぐんやけど、隣で脱ぎ出した彩をみて無意識に間をあけとったらしい


「汗臭いし」

「別に気にせんで」

「私が気にするわ」

「他の子とは近づいて写真撮るくせに?」

「それは…」


彩が好きやから、近くにおったらなにするかわからんから。
とか言えたらええのに…


濁す私にイラついたのか彩はもういいってどっか行ってしまった


「あーぁ。」

「朱里、どうしたらええと思う?」

「もう告白するしかないやろ」

「むりやからこんなことになってんねん」

「言わんとさや姉も訳も分からず避けられて可哀想やろ」

「そーやけど…」


言ったら言ったで気まづくなったらどーすんねん


「よし、朱里が助けたる!」

「え、ほんまに?」

「非常階段の隣の一角、そこで待っとって」

「わかった」


急いで着替えて朱里に指定されたとこで待機をしとった


「朱里、なにー?
あ、名無し…」

「さやか。」

「朱里見んかった?
呼び出しといておらんねん」

「私が朱里に頼んで彩呼んでもらってん」

「え?」

「彩に話がある」

「なに?」


好きです。って言えばええだけやのに、それが出てこんくてまた彩をイライラさせてしまうかもしれへん…


「名無し?」

「ご、ごめん」

「ん?何が?」

「彩のこと、避けとったの」

「あー、ええよ
誰だって嫌な時とかあるやろ」

「ちゃうねん
そーやなくて…」


あーもう!!
勇気がでーへん自分に腹が立つ!!


「ちゃんと聞くから、ゆっくりでええよ」

「…好き。」


ぎゅぅっと握っとった手を取って落ち着けるようにトントンしてくれた彩に勝手に口が動いとった


「へ、?」

「私、彩が好きやねん」

「…う、そ」

「ほんま。
彩のこと好きやから近くにおったらあかんことしそうで避けとってん」


1回言ってしまえば、スラスラ出てくる言葉に自分でもびっくりするけど彩の方がビックリして声もでーへんらしい


「ごめん。好きとか迷惑よな」

「いや、迷惑とかやなくて…」

「ん?」


俯きながら言った彩の顔を覗き込むとバッと顔を上げた彩


「あたしも名無しのこと好きやったから嬉しい」

「ほんまに?」

「うん
嫌われとるんかと思っとったからびっくりしすぎて頭がついて行かへんかった」

「ほんなら、私と付き合ってくれる?」

「うん!」


嬉しそうに抱きついてきた彩が顔を見て笑うから可愛すぎてキスをしてしまった


「っ、ごめん!!」

「名無しかわいー!」


ニヤニヤ楽しそうに笑う彩と絶対顔が赤くなっとる私。

私からすると彩が可愛すぎてこれから我慢できるか分からへんねんけど…


「彩の顔みたらキスしたくなるから、あかんかってん」

「そーなんや」

「やって、あんな顔が近くにあったら無意識にしちゃうやろ!!」

「もういつでもしてええねんで」


コテッと首をかしげながら言う彩を思いっきり抱きしめた


あー可愛すぎかよ。
そんな顔で見られたらほんまに我慢できへんで


-END-



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