しちゃいました

□にゃんにゃん
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「名無しちゃんこれあげるー」

「なにこれ?」

「お土産」

「みるきーの笑顔が怖いからいらへん」

「ひどい、せっかく選んだのに」


撮影が終わって楽屋に戻ると怪しい笑顔のみるきーに渡された個包装されとるラムネみたなもの

断ると目をうるうるさせて見てくるからそれに負けて受け取ってしまった


「今食べて今食べて」

「なんでよ」

「むっちゃ美味しいねん!」

「分かったからくっつかんといて」


恋人の彩に見られたら確実に誤解されるし。

ぎゅうっと横から抱きついてきたみるきーを離して袋を開けるとハートの形をしたラムネがでてきた


「かわいい」

「やろ?はよはよ」

「はいはい」


みるきーに急かされて口の中に入れると少しして溶けて無くなってしまった
味はラムネなんやけど、なんやろこれ…


「ん、なんか頭が痛い…」

「大丈夫?ちょっと横になった方がええよ」

「うん」

「はい、ここおいで」

「っ、!!」


みるきーに誘導されてソファに横になると頭を鈍器で殴られたような感覚が襲ってきてそのまま目を瞑った


「名無しちゃん!!」

「ん、みるきー?」

「んんー♡かわいー♡」

「え?」


目を開けるとさっきまでの頭痛が嘘のようにスッキリした感じ…

みるきーは目をハートにしてみてくるけど、なんなんやろ


「ほんまに生えてくるんや」

「ひゃぁ、」

「感じるんやね」

「なにが」

「これ」


みるきーに鏡を渡されて見てみると普通ではありえへんものが頭についとった


「ネコミミ名無しちゃんも可愛いなぁ」


そう、まるでネコミミカチューシャを付けたようなキレイに猫の耳が頭から生えとった

てことは…


「あった。」

「尻尾も生えてくるんや!」

「みるきー」

「そんな顔で見んといてやぁ
コーフンするやろ♡」


みるきーを睨んだけど逆にニヤニヤされたし、どーしたらええんよ。
こんなん生えとる人なんか見たことあらへんで


「もーこれどーやって治すんよ」

「知らへんよー」

「え、待ってそれはあかんって!!」

「名無しさん、それどうしたんですか!?」

「名無しかわいい!」

「あ、ちょっ…」


メンバーに見つかって囲まれて次々と写真を撮られる


「なにしとるん?」

「彩ちゃん見て見て」

「名無し!?」

「彩たすけてぇ…」


スタッフさんに呼ばれとった彩が帰ってきて輪の中に入ってきた


「なんでネコミミが生えとん?」

「みるきーに変なの食べさせられてん!!」

「美優紀」

「お礼はいらへんよ」

「あんたなぁ」

「見てこれ」

「ひゃぁっ、!」


みるきーが耳を触るから変な声出ちゃったやんか…

彩の顔がドンドン赤くなっていくし、周りのメンバーも赤くなって俯いとるし最悪。


「名無し帰んで!!」

「え、さやか待って」

「これ着て」

「うん…」

「美優紀次したら許さへんからな!」

「ほどほどにしたらな明日も撮影やで」

「わかっとるわ!!」


彩に渡されたパーカーを羽織るとフードを被せられてそのままマネージャーさんの車に乗って彩の家まで送ってもらった


「彩、怒っとる…?」

「なんで?」

「こんなん生えてきたし、、」

「別に怒ってへん」

「ならなんでこっち向かへんの」

「それは…」

「怒っとるやんか」


家に入っても彩はそっぽ向くし、やっぱ怒っとるんや
みるきーのバカ。
信用した私もバカやけど…


「お風呂入ってくる…」

「待って!」

「ぇ…」

「そんなしょげんといて、怒ってへんから。
その、ネコミミとか直で見れんし…」

「さやか?」

「可愛すぎて見られへんの!怒っとるわけやない!」


彩の視線は横にずれとるけど、顔はこっち向いとるから耳が赤くなっとるのバレバレやで。

可愛すぎて抱きつくとふらつきながらも受け止めてくれてソファに2人で座った


「ふふ、よかった」

「ちゃんと生えとるんや」

「んっ、あんま触らんといて」

「感じるんや」

「いじわる。」

「可愛いで」


ちゅぅっと吸いつくようにキスをしてくる彩


「…やろ?」

「あかんって言うてもその気やろ」

「名無しが嫌ならせーへん」

「ええよ」

「ん、知っとる」

「わぁ」


ひょいっと持ち上げられてベッドに運ばれ長い夜の始まり。


-END-



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