しちゃいました

□ふぁすと
1ページ/1ページ

「わっ!!」

「びっ、くりした…」

「あはは、久しぶりやな」

「もぉ、普通に声掛けてや」


撮影が終わって買い物したくてスーパーまで歩いとるといきなりばっ、と出てきた彩

びっくりしすぎて絶対変な顔だった。。


「卒コンぶりぐらい?」

「そうやなぁ
彩の卒コンが最後か」

「まだこの辺住んどったんや」

「便利いいし、引っ越す理由あらへんから」


そっかなんて少年ぽく笑う彩
卒コンの時に見た時は綺麗になったなって思ったけど、卒業してショートにした彩はかっこよくなっとって、やっぱり好きやなって実感する


「夢莉は元気?」

「ゆーり?元気やと思うけど」

「会ってないん?」

「会ってないわ笑」


会ってないんかぁ。
そっかそっか
もう付き合ってへんのんかな?

私がNMBを卒業してすぐくらいに風の噂で夢莉と付き合いだしたって聞いた。
それからさやゆーりが増えたし、卒コンでもさやゆーりしとったけど…


「なんやねん笑」

「ん?」

「顔、ニヤニヤしとるで」

「うそ、まじで?」

「うん
キモいくらいにな」

「ひどい」


やっぱ彩と話すと楽しいし、1番好きな時間やわ

彩の笑った顔を見ると好きって言いたくなるけど、こんだけ友達の時間が長ったら告白するタイミングとか分からへん

私の初恋の相手やし、心の中では何回も好きって言ったのに、口に出せへんし、でも彩の顔をずっと隣で見ときたい…


「やっぱ名無しは変わってへんなぁ」

「それは彩もやろ?」

「お互いか笑」

「うん」

「名無しとおったら落ち着く」


変わってへんのは彩だけやで。
私は彩への好きがどんどん大きくなって今にも爆発しそう

彩はこのままの関係がいいってことなんかな?


「夢莉と付き合っとったんやろ?」

「え?」


冗談っぽくあえて過去形で聞けばキョトンとした顔になる彩

もしかしてまだ続いとった感じ?


「えっと…」

「誰から聞いたか知らへんけど付き合ってへんよ」

「そーなん?」

「うん」


なんて言おうか困っとると彩が笑いながら教えてくれた

付き合ってなかったんや

彩が幸せならそれでいいってその時は言い聞かせとったけど、付き合ってないんか


「誰か、」

「ん?」

「いや、なんもない」


誰かいい人おるん?とか意味わからんこと聞こうとしてしまって急いで口を閉じた
これ以上彩のプライベートに踏み込んだらさすがにきもいよな

あの頃は自分を抑えて、傷つかんように、彩に好きってバレんように行動しとった意気地無しやけど、今あの頃に戻れるなら少しだけ勇気を出して行動したい。


「名無しはそーゆー話ないん?」

「どーゆー?」

「好きな人、とか」

「んーないかな
彩は?」

「あたしはずっと好きな人がおる、かな」

「そ、か…」


好きな人おったんや…

夢莉と付き合ってないって言っとったけど、もしかしたら彩は夢莉のこと好きやったんかもしれへん。


「誰か聞かへんの?」

「彩の好きな人なら絶対いい人やし
応援する」

「…ほんならあたし行くな」

「うん、またな」


また、とか叶わへん約束をして、彩とわかれた


もし私が彩のこと好きって言ったら変わっとったんかな。
いや、好きな人おるんやし変わってへんよな
でも変に会うこともないんやから言っても構わんかったか


「名無し!!」

「なーにー?」


彩に大声で名前を呼ばれて振り返ると彩が走ってこっちに来た


「好き!名無しが好きやねん!」

「わっ、」


いきなり好きって言われて抱きつかれて、頭の回転が止まった


「応援するとか言わんといて
あたしは名無しが好きやから、応援するんやなくて付き合ってや」

「さやか。」

「ずっと好きやってん」


彩が私の事好きとか考えたこともあらへんかった

まさか両想いやったとは…


「私も彩のこと好き」

「ほんなら付き合って」

「もちろん」


嬉しそうな笑顔の彩はほんまに綺麗やし、可愛い。

ずっとずっとこれからも私の好きな人。


初恋は叶わへんって言うけど、私の人生初恋だけで終わらせたる


-END-


この曲いいですよね。
頭から離れなくて1日3回くらいYouTubeで見てます笑



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ