しちゃいました
□かわいいより
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「おはよー」
「おはようございます」
今日は朝からテンションあがっとって、楽屋にも早入りするくらい楽しみな仕事が1日中ある
あたしが憧れとる名無しさんとずっと一緒の撮影やねん
AKB3期生の名無しさんはあたしと同い年で、顔はむっちゃ可愛いのにダンスも歌も完璧なくらいすごい人なんやけど、関西弁でふにゃっと話す感じがメンバーも癒されとって、NMBにも何人名無しさんの虜がおることやら。
あたしも名無しさんのことが好きなメンバーの1人なんやけどな
楽屋でメイクも済ませて名無しさんを待っとると眠たそうな顔で入ってきた
「山本さん、はやいなぁ」
「間違えて目覚ましはやくセットしてしまったんです」
「ふふ、ドジやな笑」
「名無しさんは眠たそうですね」
「んー昨日遅くまで電話してて寝れへんかってん」
目をゴシゴシしながら話す名無しさん
可愛すぎて抱きしめたくなる
「名無しさんっていつも電話してますよね」
「えっと、そーやっけ?」
「あたしが聞いたらだいたい前の日電話しとるってのが多い気がします」
「そんな事ないと思うけど…」
気になって聞いたらむっちゃ気まずそうな顔で答えられたけど、聞かん方がえかったんかな?
「山本さんは最近どんな?」
「いきなりですね笑」
「ライブが近いって優子さんが言うとった」
「まぁセトリ決まってレッスン始めたくらいですよ」
「もしお仕事の都合があったら行ってもええ?」
「え、来てくれるんですか!?」
「NMBのライブ楽しいってファンの子によく聞くねん!」
ライブ来てくれたらメンバーも更にやる気でるからNMB的には来て欲しいけど、多忙な名無しさんが都合合うこととかあらへんやろ…
「マネージャーさんに聞いてくるからちょっと待っといて!」
「はい」
パタパターとマネージャーさんに聞きに行った名無しさん
あんなんで走ってこられたら抱きしめる自信があるんやけど。
「お昼まで撮影があってそれからはお休みやって」
「ほんなら来ます?あたしがチケット用意しますよ」
「そんなの悪いわぁ
マネージャーさんに用意してもらうで?」
「あたしが名無しさんに来て欲しいんで」
「ほんならお願いしよーかな」
「はい!」
名無しさんの携帯が鳴って、電話しに行ったけど、多分優子さんやろーな
優子さんと名無しさんが一緒におるのはよく見るし
もしかして名無しさんがいつも電話しとる相手って優子さん?
そしたら確実あたしに勝ち目ないやん…
いや、そもそももう付き合っとるとか?毎日電話するとかそーゆーことやん
「さや、山本さん?」
「っ、はい!」
「百面相しとったけど、大丈夫?」
「そんなやばかったですか?」
「こんな顔して、こんな顔して、こんな顔しとった」
名無しさんはムスッとした顔からハッとした顔してシュンとした顔をした
「あたしそんな顔してました?」
「んー可愛かったけど」
「かわ、えっ!?」
「ん?」
「可愛いって…」
「いつも可愛いと思っとるよ?」
可愛いって、ビミョーな気持ち…
嬉しいけど嬉しくないやん。
名無しさんにはやっぱカッコイイって思って欲しいのに