しちゃいました

□もやきゅん
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「名無し」

「彩ー!!」

「おかえり」

「ただいま!今日は早いんやな!」


学校から帰宅途中、見覚えのある車が止まっとって、中から恋人の彩がでてきた

彩は私より6つ上で社会人なんやけど、仕事が早く終わった日は迎えに来てくれるし、土日は基本的に家に泊まりに行っとる


「どこ行く?」

「ホテル」

「車でできるけど」

「…いいよ?」


大人やからって余裕ぶっとるし、負けたくなくていいよって言うたら一瞬驚いてすぐ笑いながら頭を撫でてきた

彩と付き合って2年経っとるのに、まだそーゆーことは1回もしたことがない


「ばーか。
何簡単に許しとんねん」

「バカやないし!」

「ほんなら今日は家に帰りますか」

「勉強教えて」

「ええよ」


彩は家庭教師やったから教えるのがむっちゃ上手いねん
かっこよくてかわいくて頭がいいとか最高やろ?


「yに入れるのはこれな
それはaやから」

「あ、これか!」

「正解
このやり方で3問出来るで」

「やってみる!」


彩の家についてすぐ勉強を教えてもらった

彩がいちばん得意なのは英語なんやけど、私も英語できる方やから教えてくれへんねん
数学と歴史は彩がおらんと無理やけどな

彩に確認してもらいながらやっとるとインターホンが鳴った


「あーそのまま続けとって」

「はーい」


彩が帰ってきた時に解けとったら褒めてもらえるんやろーか?笑


「ちょ、なんでおんねん!」

「LINEしたけど見てへんやろ」

「まじで、今は無理やって!」


玄関に行った彩が女の人と言い合っとる感じやけど、大丈夫なんやろーか?


「ええやんええやん」

「あ、かん!!」

「おじゃましまーす」


ガチャっと開いて入ってきた人と目が合った


「美優紀!!」

「…彩ちゃん、高校生は犯罪やろ」

「ちゃうから」

「こんな変態に捕まって怖かったよな」


美優紀と呼ばれた人に抱きしめてよしよしされたけど、どーゆー状況なんやろ…
とりあえず付き合っとるのは隠した方がええよな。


「あ、の」

「ん?
あ、もしかしてもう変なことされたん!?」

「私、彩のいとこです」

「名無し」

「彩ちゃんのいとこなん?」

「はい
昔から勉強教えて貰っとって、テスト近いから勉強見てもらおうと思って」

「なーんや
てっきり彩ちゃんが高校生に手出したんかと思った」


パッと離されて彩を見ると申し訳なさそうに見てきた


「わかったら帰ってや」

「それが昔からの友達に言うセリフなん?」

「親しき仲にも礼儀あり、やろ」

「礼儀ありありやん」

「人の家勝手に入っとってどこが礼儀あるねん」

「まぁまぁ」

「勉強の邪魔になるやろ」


これ、立場的に私が邪魔になるやつやん。

美優紀さんは帰りそうにないし、このままやったら恋人ってバレるからしれへんから今日は帰るか…


「私が帰るんで大丈夫です」

「えー帰っちゃうん?」

「名無し、こいつが帰るからええねんで」

「いや、とりあえずわかったし大丈夫」

「私も教えれるで?」

「親が迎えに来てくれたんで」

「名無し」

「勉強教えてくれてありがとう」


彩はうそって気付いとるんやろーけど、美優紀さんがおるから何も言わずに玄関まで送ってくれた


「ごめん」

「んーん。また連絡して」

「わかった」

「ほんなら、また」


暇やし本屋に出も行くか。

美優紀さんと仲良い感じが出とったな
てか、彩の友達ってはじめて見たけど、可愛かった…


「名無し?」

「あ、ゆーり
こんなとこでなにしとん?」


ゆーりはクラスの友達
ショートで綺麗でファンクラブがあるらしい


「名無しこそ」

「私は暇つぶし」

「一緒
何時まで暇なの?」

「特に決まってはないけど」

「なら遊びに行こ」

「いいよー」


彩のとこにおるつもりやったから親に遅くなるって連絡したいし、ゆーりと遊ぶことにした
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