しちゃいました

□めいく
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「なぁ、見て」

「後でな」

「いま」

「わがままかよ」

「なーぁー」

「だーっ!うっさいわ!」

「…ばーかばーか!」

「はぁ!?」

「来んなはげ!」

「はげてへんわ!」


携帯ゲームで遊んどると隣にきた名無しがなんか言うとって適当に流しとると、ゲームから失敗の音とコンティニューの文字が出てきて名無しにあたってしまった


「名無しごめんって」

「知らへん」

「メイク変えたんやろ?似合っとるで」

「それだけ?」

「え?」


それだけって…
髪はいつも通りやし、服も新しいわけやない
他になんかある?


「もぉいい
彩のばーーーーか」

「あ、おい!」


むっちゃばかって言われるんやけど。
特に変わったとこないやん…


「ぷぷっ」

「…んやねん」

「だっせー笑
まぁまぁ、見とけって」

「はぁ?」


百花は笑いながら名無しに話しかけに行った


「名無し今日のメイクいいやん」

「ほんま?似合っとる?」

「似合っとる似合っとる
さや姉のメイクやろ、それ」

「せやねん
やっぱ百花はすぐ分かってくれるなぁ」

「誰よりも名無しのこと見とるからな」

「ちょ、やばいです!!」


名無しと百花のやり取りを聞いとった三田が興奮気味に入っていった

じゃなくて、、あたしのメイク?
メイクがいつもと違うのは気付いたけど、まさかあたしのメイクしとるとは思わんやん


「名無し」

「なんやねん、はげ」

「気付かんくてごめん」

「さや姉は鈍感やからしょうがないやろ
うちの方が名無しのこと見とるし」

「なぁ、百花の方が私の事見てくれてんの?」


あたしの腕を掴んで聞いてくる名無し

天然でこれをするとかホンマにタチが悪い


「なわけないやろ
あたしが1番見とるわ」

「でもさや姉には分からへんかったやろ」

「メイク変えたのはすぐ気付いたで」

「わざわざさや姉のメイク真似とるんやからそこも気付くやろ」

「まさか自分のメイクしとると思わんやろ」

「あー私トイレ行こーっと」


百花と言い合っとると名無しが逃げるように楽屋から出ていった


「これはさや姉やな」

「分かっとるわ」

「あ、名無しにまた抱かしてって伝言しといてや」

「は?」

「はよ行かな名無しおらんくなるで」


ニヤニヤしとる百花に背中を押されて楽屋を出たけど、またってなんやねん
あたしと付き合う前は名無しと百花ってそーゆー関係やったん?


「名無し、帰ろ」

「あ、さやかか」

「百花がよかったん?」

「彩がよかった」

「…百花がまた抱かしてって言うとったで」

「またってなんやねん笑」


ふにゃって笑った名無し


「百花と付き合っとったん?」

「なわけないやろ
私が昔から彩のこと好きなの知っとるくせに意地悪なこと聞くんやな」

「またって言うとったで」

「百花にからかわれたんやろ」


なんや、からかわれとっただけか

名無しは昔から百花と仲良かったし、そーゆー関係やと思うやん。
まぁ、確かにあたしと付き合う前も名無しがあたしのこと好きってずっと言うとったからよく良く考えればありえへんか


「あ、でも」

「なに?」

「1回キスしたことはあるかも」

「は、なんで」

「なんでってあれやで、公演でテンションあがってちゅーって」

「知らへんのんやけど」

「まぁ昔のことやし、ええやん」

「あんたなぁ」

「今は彩としかしやんよ?」


ぎゅっと抱きついてきた名無しと目が合って流れでそのまま口付けをした


「あたりまえや」


-END-



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