しちゃいました

□Dretiny
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「あ、さやか!
今日も来たん?」

「うん」

「ほんなら昨日の話の続きな」


そー言って女の子は船で海に出て大きい魚を捕まえたことを話してくれた


「むっちゃでかいねん!このくらいはある!」

「盛っとるやろ」

「ほんまやって!さやかに見てほしかった!」

「そんなん食べられへんよ」

「やからみんなに配るねん!」


この子のことは名前もしらへんし、歳もしらへん。
年下なんやろーけど、聞こうと思わん

ただこーやって毎日面白い話をしてくれる


「今度はさやかも一緒に行こーや」

「ええなぁ」

「山にもな、大きな生き物がおんねん」

「くま?」

「んーくまやないと思う
けど大きい!」

「そんなん捕まえられへんやろ」

「罠仕掛けるねん
餌つけとったら簡単に捕まるで」


楽しそうに話す女の子は輝いとって、あたし自身もワクワクした気持ちになる


「さやかは頭ええから罠考えてや!
ほんで私と一緒に捕まえよ!」

「ええけど」

「物は私が用意するから大丈夫やで」

「捕まえたらどーするん?」

「んー食べる!」

「こんな大きいんやろ?食べきれんで」

「そしたらまたみんなに配るねん!」

「あんたは優しいなぁ」

「さやかの方が優しいで
いっつも私の話聞いてくれるやん」

「それは」

「あ、そろそろ時間や」

「また会える?」

「うん!一緒に捕まえる作戦立てよーや!」



















「…さん、やま…、山本さん」

「ん、はい」

「おはようございます
朝の健診です」


看護婦さんに起こされて1日が始まる

交通事故で足を骨折し、ここに入院してまだ3日目やけど、入院当日から女の子の夢を見るようになった


「熱はありませんね
朝ごはん持ってきたので食べれそうなら食べてください」

「わかりました」

「それではなにかあったらナースコールで」

「はい」


カーテンをしめて出ていった看護婦さん

また今日も退屈な1日が始まる
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