しちゃいました

□あんた
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「なにしてんの?」

「すみません…」

「高校生?」


土砂降りの中行く宛てもなく家にも帰られへんくて、とりあえずお店の前で雨宿りしとると和装の女性に話しかけられた

顔むっちゃタイプやなーって呑気なこと考えとると、じとっと見られるけど、それもしょうがない
この辺一体が夜のお店ばっかりやし、制服姿の高校生がおったら邪魔やもん


「はよ帰らな親御さんが心配すんで」

「ここで、働かせて下さい…」

「は?」

「お願いします
行くとこがないんです。お金はいりません…」

「ここがなんの店かわかっとん?」

「分かってます」

「とりあえず、面接だけしたるからついてきて」


名前を聞かれて答えたら彼女はアントニオと名乗った

ソファーに座らされて、目の前に水を出された


「あたしのこと客やと思って接客してみてや」

「え?」

「どーやったら男が喜ぶか、考えながらやってみて」


男の人が喜ぶやり方…
それならわかる。散々あの人にさせられてきたことをすればええだけや


「アントニオさん、私の事ちゃんと見てくれてます?
私こんなに見とるのに全然見てくれへんやん」

「ふっ、ええやん」


制服のネクタイを外しブラウスのボタンを開けてアントニオさんの手を取って胸を強調させながら猫なで声で言うとアントニオさんが笑った


「男の喜ばせ方知っとるんや」

「色々あったんで…」

「そんな安売りしたらどーなるかも分かっとん?」


私が外しとったネクタイを取ったアントニオさんが、慣れた手つきで私の両腕をネクタイで縛りソファーに押し倒された


「まぁ、」

「ふーん
気持ちいいことが好きなんや」

「別に気持ちいいとか思わへんし
ただ終わるのを待っとけばええだけやし」

「…自分、おもろいな」


気に入ったわ。って言いながらネクタイを外してくれるアントニオさん

私を押し倒した衝撃で上でまとめとった髪がほどけて顔にかかり、それが艶っぽくて見入ってしまう


「ほんなら、」

「でもホールはあかん」

「なんでですか?」

「流石に高校生は捕まるわ」

「そー、ですよね…」

「黒服ならええよ」

「え?」


黒服って、お酒とか持っていくボーイさんってこと?

やったことないんやけど…


「とりあえず男装して、年齢は20歳な」

「分かりました」

「もうすぐ他の子たちが来ると思うんやけど、その子らにも女子高生ってバレんようにな」

「はい」


アントニオさんが出してくれたボーイの服に着替えて、手順を教えてもらっとると他の人たちがゾロゾロと来だした

やっぱみんな綺麗やな。
この中に入ったら私だけ浮くやん
アントニオさんに黒服勧めてもらって良かったわ





















「おつかれ」

「お疲れ様です」

「帰るとこないんやろ?」

「はい
ここで寝泊まりしてもいいですか?」


ここなら控え室にソファーと毛布があったし、お風呂は毎回入りに行けば過ごせそうやし…


「あほか
ちゃんとベッドで寝かしたるから家おいで」

「え、いいんですか?」

「女子高生1人にここ泊まらせるわけに行かんやろ」

「嬉しいです!」


アントニオさんと一緒に住めるん!?


「とりあえず、帰るか」

「はい!」


アントニオさんは家まで色んな話をしてくれた

一人暮らしらしく、基本的に好きに使ってくれてええよって言ってくれたけど、トイレとお風呂を使わせてくれたらそれだけで全然大丈夫
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