しちゃいました

□cawaii
1ページ/1ページ

「名無しせんぱい」

「さや姉やん、どしたん?」


保健室で横になっとると、カーテンがあいてむすっと顔のさや姉


「またこんな所でサボりですか?優子先生が探してましたよ
あと、さや姉ってやめてください」

「優子先生、なにか言うとった?」

「呼んできてとしか聞いてないです」

「ふーん」


なら行かんでもいいやつやな

用事がある時はちゃんと伝えるし、暇やから話し相手になってとかやろ


「え、行かないんですか?」

「優子先生がそーやって呼ぶ時だいたい何も用事ない時やし」

「あたしが怒られるんですけど…」

「さや姉は悪くないから大丈夫やで」


ベッドから出てさや姉の頭をぽんぽんすると、手をはらわれた


「彩って呼んでください」

「さや姉でええやん」

「名無し先輩の方が年上です」

「優子先生やってさや姉って呼んでるで」

「それはあだ名っていうか…」

「私が呼ぶのもあだ名やん」

「そうですけど。」


しゅんっとした顔で下を向いたさや姉

この子、かっこいいって言われとるけど絶対可愛いよな
初めて会った時から可愛い場面しか見てないんやけど、ほんまにかっこいい時あるん?


「ほんなら、私の事呼び捨てにしたら彩って呼ぶで」

「それはできません」

「なら私もできひん」

「名無し先輩って絶対あたしのこと嫌いですよね」

「は?」


え、私そんな態度取っとる?そんなことないよな?


「別にいいですけど」

「嫌われとると思ってるん?」

「別に嫌っとっていいです」

「ふーん、いいんや」

「まっ、」


好意もっとる人に嫌っとっていいとか言われたら凹む、、
もぉええわ。

気まづい空気になったし、優子先生のところにでも行くか…


「名無しっ!!」

「ぇ?」


職員室に入ろうとドアに手をかけた時、さや姉に呼び止められた

てゆーか、名無しって…


「嫌です。」

「なにが?」

「名無しに、嫌われたくないです」

「はぁー…」


泣きそうな顔で、私の腕を掴んでそんなこと言うさや姉

この子はほんまに可愛いと思う。


「ごめんな」

「なにが」

「彩に嫌っとっていいって言われたくない」

「なん、で?」

「好きやから
好きな子にそんなこと言われたら凹むやろ」


さすがに恥ずかしくてそっぽ向いて言うたけど、彩は下を向いて見てへんっぽい


「いつも名無しのこと呼びに行くの、あたしなの気付いてますか?」

「え?」

「優子先生が呼んできてって言う時、毎回あたしが呼びに行ってます」

「そーなんや」

「気づいてなかったんですね」

「なんも考えてなかったわ」

「ほんなら、あたしが名無しのこと好きなのも気付いてないですか…?」

「は!?」


顔を真っ赤にして言うてくるさやか


「ほんまに言うてるん?」

「好きです。名無しのこと」

「私も好きやけど、」

「好きやから、呼び捨てで呼んで欲しかったです」


あーもぉ!!
この子ほんまに可愛すぎておかしくなる


「さやか。」

「はい」

「好き、付き合って」

「名無し。」

「何も聞かへん」

「わ、、」


ぎゅうっと抱きしめると彩が控えめに抱きしめ返してくれた


-END-



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ