しちゃいました

□としした
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「名無しさん、またこんな所でサボってたんですか」

「サボっとったわけやないねん」

「なら何してたんですか」

「おひるね、?」

「サボっとるやないですか!!」


新しく入部してきた後輩に腕を掴まれて連れていかれる


1年マネージャーの山本彩。顔はまぁモテる分類の顔。人見知りらしいけど仲良くなったら犬みたいに寄ってきてくれるし、普通にモテる

彩はどう見てもプレイヤータイプなんやけど中学の時に怪我してプレイできんくなったらしく、マネージャーで入ってきた


「大島先生怒ってましたよ」

「あの人怒らへんやん」

「今日は小嶋先生に振られたから厳しく行くって言ってました」

「八つ当たりやん。行きたくないねんけど」

「ダメです」


振られたからって八つ当たりされるのは嫌やねんけど、、


「さやか、大変」

「なんですか」

「足が痛い気がすんねん。保健室行ってくる」

「は、なんではよ言わんのんですか!
ちゃんと掴まっとってください」

「えっ、ちょっと!!」


ひょいっと身体を抱えられ、保健室まで早歩きで歩いていく彩

私より少し身長が低いのに、そんな力どこにあるん。


「小嶋先生、診てください」

「…小嶋先生会議中でおらへんらしいで」

「え?」

「入口のところ、書いてあった」

「まじか
どないしよ。とりあえずあたしが行っとる病院に行く?いやでも勝手には…」


ソファーに座らされて、あたふたしとる彩を見とると面白くなってきて吹き出してしまった


「なんですか」

「いや、ごめんな」

「なにがですか」

「足痛いの、嘘やねん」

「はぁ!?ありえへん」


隣に座って、嘘かよ。あせったやん、って言いながら頭をかかえる彩


「ごめんって」

「大島先生にサボっとったことチクリます」

「それだけはやめてや」

「嘘つく方が悪いんで」

「何でもするから言わんといて」

「…なんでも?」

「なんでも!
ジュースほしい?お昼奢ろーか?好きなお菓子は?」


んー…って考え出した彩

そんな真剣に悩まんでもええのに笑


「オレンジジュースで明日のお昼はA定食、和菓子が食べたいです」

「オレンジジュースとA定食と和菓子ね」

「あと、」

「ん?」

「キスしてください」

「は、」


いやいや、真面目な顔で何言ってるん!?

真面目な顔やったのに徐々に赤くなっていってしまいには耳まで真っ赤になったけど。


「本気なん、?」

「なんでもって言ったやないですか」

「言ったけど、それとこれとはちゃうやん」

「好き、じゃあかんの?」

「私の事好きなん?」

「好きですよ、名無しさんのこと。」

「私の気持ちは?」

「名無しさんやってあたしのこと好きやん」


まぁ、好きやけど
彩はなんでこんなに当たり前やん。みたいな感じで発言してるんやろ


「なら、する?」

「いいんですか」

「まぁ彩のこと好きやし」

「…してください」


ちらっと横目で見てきた彩はせっかく治まっとったのに、また真っ赤になった


「じゃあ、、」


彩の前に立って顔に手を沿わすと必然と上目遣いになるわけで、こんな女の子な部分の彩を誰にも見られたくないと思ってしまった


「名無し、さん…」


顔を近づけて伏せ目がちになった彩を確認してそのまま優しく口付けをした


「…どう、やった?」

「そ、そんなこと聞かんといてください」

「やって初めてやから、変やなかったかなって」

「は?」

「え?」

「初めて、なんですか?」

「うん
初めてやった」


うわ、まじかぁ…って再び頭を抱える彩

さすがに遅すぎて引いとる?それともやったことに後悔?


「すみません」

「なにが?」

「名無しさんのことやから、経験あるんやと…」

「ないない
付き合ったことないし」

「ほんなら、あたしと付き合いますか?」

「ほんならの意味が分からへんけど、彩とならええよ」

「っ、まじですか」


ぱぁっと笑顔になる彩に面白くなって笑みがこぼれた


「名無しさんがあたしの彼女…?やばい嬉しすぎるんやけど」

「めっちゃテンションあがるやん」

「そりゃあずっと好きやった人と付き合えたんです
テンションもあがりますよ」

「ずっと私の事好きやったん?」

「はい」

「気付かへんかった」

「でしょうね」

「でもな、私もずっと好きやったで」


最初見た時から気になっとったことは言わへんけど。


「夢みたい」

「ほんなら、現実的なこと言うな」

「なんですか?」

「部活、戻らんくてええの?」

「あ!!」


戻りますよ!って私の手を引いて保健室を出た彩

髪の毛から覗いとる耳がまだ赤いけど見てないことにしよう。


-END-



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