恋を2

□ひとめぼれ
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「なぁ、山田先輩」

「ん?」

「一目惚れって信じますか?//」


1年が部活に入部してきて数日
マネージャーの私が部室の掃除をしよったら1年の中で1番目立っとる彩ちゃんがそんなことを言ってきた


「山田せんぱーい!!」

「彩ちゃん、もぉ部活始まるで?」

「山田先輩、いっつも1人でたくさんの荷物運びよるやん?
やからあたし手伝いにきました!」

「え?」

「愛菜先輩にはちゃんと言うたから、一緒に運びましょ」


この子はモテる。
優しいし、顔もいいし、モテへん方がおかしいと思う。


「山田先輩、そっち持ってください!
あたしこれ持っていくんで」

「それ、重いやつやん
部活前に疲れるからだめや
私が持つから彩ちゃんがこっち持って」

「いやや」

「彩ちゃんの体がおかしくなったら私いややねん」

「なんで?」

「マネージャーやから」

「あたし山田先輩にかっこいいところ見せたいねん
やからあたしがこっち持つな」


そー言って運び始めた彩ちゃん
さらっと恥ずかしいこと言って逃げんといてや


「山田先輩
愛菜先輩が呼んでましたよ」


彩ちゃんが戻ってきて私が持つはずの荷物を持ってくれた


「彩ちゃん、わざわざごめんな?」

「…愛菜先輩と付き合っとるん?」

「え?」

「あたしアップしやんとやから先行きます!」


ま、また言い逃げされた…

部活中もいつもと変わらん彩ちゃんやったけど、終わったらいつも部室で片付けてくれるのに今日は来てくれんかった

彩ちゃんにも用事があるのわかるけど、いつも来とったら気になるやんか…


「彩ー
あれ?菜々さん?」

「里香ちゃん…」


里香ちゃんは私と同じ中学で彩ちゃんの友達


「彩、帰ったんですか?」

「そーみたいやけど…」

「…里香が話聞きましょうか?」

「え?」

「菜々さん誰にもほんまのこと話してないんやろ?
里香が聞いてあげます!」


里香ちゃんは私の隣にこしをおろして彩ちゃんに告白されたこと、今日の彩ちゃんのことを聞いてくれた


「確かに、菜々さん彩のタイプっぽいもん!」

「けど、未だに信じれんくてな…」

「彩、多分本気やと思いますよ?」

「んー…
本気なのはわかっとるんやけどな?」

「ん?」

「私も気になっとるってのもあるし、やっぱり部活が…」


気になっとるのは気になっとる
あんな正面から好きアピールされたら誰でも気になると思うし


「え、菜々さん彩のこと好きになったん!?」

「まだ好きかどーかはわからへんけど…」

「彩、不器用やし、好きな子はいじめてしまうタイプやからな…」

「なぁ、里香ちゃん
私どーしたらいいと思う?」

「里香に聞かんといてくださいよ笑
菜々さんは彩とどーなりたいんですか?」

「わ、わからへん」

「彩のこと、部員にしか見れん?」

「そーゆーわけじゃ…」

「菜々さんと彩ならお似合いやと思うけどなぁ」

「彩ちゃんにはもっとかわいい子のが似合うと思うで?」

「菜々さんも全然可愛いですよ笑
あ、里香今日早く帰らんといけんのんやった」


先に帰りますねって帰っていった里香ちゃん


「嵐みたいやなぁ…」


さっきまで楽しかった部室がシーンとしてて今はただ怖いだけ

あれ、部室ってこんなに静かだったっけ?
こんなに暗かったっけ?


(ガサガサ


不意にロッカーの方から音が聞こえた


「こ、こわい…」

「山田先輩?」

「きゃーーー!!」


ドアから聞こえた声に絶叫。


「あはは笑
山田先輩があたしのこと待っとるって岸野に聞いてん」

「別に、待ってなんか…」

「ごめんな?
あたしのせいで怖い思いさせましたね」

「彩ちゃんのせいじゃないけど。。」

「目、めっちゃうるうるしてますよ笑」

「や、やって…
怖かってん、しょーがないやんか。。」

「ごめんなさい」


そー言いながら腕の中に私をおさめた彩ちゃん


「なぁ、彩ちゃん、私にかっこいいところ見せたいって言うたやん?」

「あー…
そーゆーのは掘り返すのやめてください」

「私、彩ちゃんのことずっとかっこいいと思っとるで?」

「え?」

「部活中も体育の授業中もずっとかっこいいと思っとる」

「ど、どうも//」

「それに、愛菜とは幼なじみなだけで付き合っとるとかじゃないで」

「そ、それは良かったです」

「なぁ」

「山田先輩、じゅうぶんかわいいから」

「っ//」


そーゆーことをストレートに言われると反応の仕方がわからへんくなる


「山田先輩のこと、ほんまに好きやねん」

「私も…」

「…ほんまですか?」

「私も彩ちゃんのこと好きや」

「やばい、嬉しい」

「でも、私彩ちゃんよりすぐおばさんになるで?
ヤキモチ妬いちゃうかもやし、ポンコツやし」

「あたしは山田先輩がいいんです」

「私も彩ちゃんがいい。」

「山田先輩」

「ん?」


顔をあげると彩ちゃんの顔が近づいて来て目を閉じた


-END-

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