恋を2

□バレンタインの勇気
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「彩?」

「なぁ、あたしのこと好きやろ?」

「さや、か?」

「抱かしてや」

「や、やめっ…」


山田と仕事が同じじゃない日に会うなんてほとんどあらへん
まして、山田はNMBを卒業しとるから1年を通してもあんまり会わへん

やけど、半年前仕事が上手くいかへんくてイラついとったあたしが呼び出したらすぐ来てくれた
そんで、山田が卒業する前に言われた『好きやねん』に答えを出してへんかったあたしはただただ山田を抱いた


ー今日会える?


なんてLINEすれば遅くなってでも会ってヤらしてくれる山田

な、はずやのに


ー今日はちょっと…
日付変わっちゃうかもしれんから
明日じゃあかん?


日付を変わって会ったことなんか前にたくさんあったし、ましてそれでもええってあたしは言ったはずやのに、山田がそーゆーLINEを送ってきた


ーならええわ。

ーごめんな


今まで山田が断ったことなんかあらへんかった
何時になってもヤらしてくれとったのに
断られたことにイライラしたあたしはイライラを落ち着かせるためにTwitterを開いた


『今日はあいにゃんとデート♡』


ふと流れてきた山田のTwitterに目が止まった


「あたしとは会わへんのに他の人とは会うんか」


なんやねん。
あたしのことが好きやったんとちゃうんか


モヤモヤして携帯を置いてベッドに入った
そこから寝落ちまでははやかった


目が覚めるとリビングにあかりがついとった


「誰や」

「さ、彩」

「…山田」


わりとスッキリしたあたしが見たのはキッチンでご飯を作っとる山田
まぁ、合鍵を渡しとるのは山田ぐらいやもんな


「なにしてん
今日は愛菜とデートやったんやろ?」

「あ、せやねんけど、いろいろあって…」

「会われへん言うたのに予定が無くなったら来るんか」

「予定がなくなったわけやないねん
彩が他の人としとったらいややなって思ったらこっちに来てしまっててん」

「意味わからへん」

「と、とりあえずまだ食べてへんやろ?
食べよ?」

「おう」


山田がおって嬉しかった。
やけど、断られたこと、その理由が愛菜やったこと、そして山田の服装が可愛かったことがあたしのモヤモヤを再燃させた


「「ごちそうさま」」

「食器置いとってええから風呂入ってき」

「彩疲れとるやろ?
私が洗うから入ってき?」

「ええからはよ入りーや」

「…わかった」


1回で聞かへん山田。

いつもの山田やのにあたしの気持ちのせいで空気が悪くなる


山田がお風呂に入って食器を洗ってソファに座って携帯を開いたら何件かLINEがきとった

山田が5件とマネージャーが2件、愛菜が1件


「彩、出たで」


LINEを開こうと思ったらダボダボのTシャツにまだ濡れたままの髪の山田が出てきて携帯を置いた


「山田」

「さ、彩もお風呂…」

「うっさい」

「んっ…」


そんな山田の姿に欲情してキスをしてソファに倒した


「彩、お風呂」

「あんたが先や」

「んんっ、まって…」

「待てへん。」

「あ、あかんっ…」

「うっさいねん、黙って感じとれ」

「ぁっ…」


ダボダボのTシャツの中に手を入れて胸を揉む


「さ、やかっ…」


ギュッと目を瞑ってあたしの手を抜こうとする山田


「下着付けてへんのはヤられるためやろ?」

「ちゃう、から」


話す間を手を止めんと揉み続けると山田も感じててっぺんがたってきた


「山田、Tシャツの上からでもわかるで」

「いや、や…」

「ほら、たっとる」

「あんっ、やめて…」


てっぺんをTシャツの上から弾くと喘いだ山田にあたしの口角が上がる


「ほんまは嬉しいくせに」

「ん、いやや…」

「これは?」


そー言いながらTシャツを捲りあげて片方に吸い付く


「んんっ、」


ビクッとして声を出す山田にあたしの興奮はMAXにあがり片方のてっぺんを手でいじり、舌でもう片方を舐めた


「んぁ…さ、やか、もぉ」

「はいはい
ほら、足上げて」


ソファの背もたれに山田の片足首をかけてトロトロになっとるそこをまじまじと見る


「そんな見やんで…」


って言いながら隠さへん山田

指でそこに触れると大きくビクッとなった山田


「さや、か」

「ん?」

「優しくして…」

「気が向いたらな」


なんて言いながらそこにしゃぶりつく

山田の中に1本指を入れてその上を舌で攻める


「あぁぁ、んっ…」


そしたら山田は悦んで腰を少し動かし出した


「こし、動いてんで」

「や、やって…あぁん、きもちっ…」


山田のこの姿はいやらしい。
これをあたししか知らへんことに嬉しくなる


「も、むりっ…」

「ん、イかしたる」


そう言い顔を離して指の動きをはやくして山田の中のイイところをこすった


「んあぁ、あかんっ、イくっ…」

「ん。」


ビクビクと波を打った山田やけど、あたしの手はまだ止めへん。

この後3回イかしたら山田は疲れてすぐ寝てしまった


「はぁ…」


まだ興奮が冷めてへんあたしはさっき見るはずだった愛菜からのLINEを開いた


ー菜々が彩に渡したいものあるって。
菜々の話、聞いたげてな


渡したいものって何やねん。
話ってなんやねん
それを聞かへんまま山田にヤってしまった後悔と愛菜が知っとるってことにまたイライラしたまま山田とのLINEを開いた


ー彩、今から行ってもええ?

ーさっき無理って言ったのにやっぱあかん?

ー会いたいんやけど…

ー今日、何の日かわかる?

ー今から行くな


今日は…2月14日やろ?

あ、世の中はバレンタインや…
もしかして山田が渡したいものって…

気になって山田のカバンの辺を探した


「これ、や…」


綺麗に包装されとるもの。
リボンのところに手紙があって、山田の字で『彩へ』って書いてあった

山田に言わずに開けるのはあかんと思うけど、それよりも気になる方が越して手紙を開けた


『 彩へ

彩にとっての私と私にとっての彩。

それが違うくても彩に必要とされとるのが嬉しいです。
卒業の前の日、彩に言ったこと彩が覚えてくれとって嬉しかった
彩にその気がなくても好きやからって思っとった
やけど、彩に抱かれるたびに思うねん
この人が私の恋人やったら…って

彩にならどんなことされてもええ。
私はずっと彩が好きや。

普段はこんなこと言う勇気なんかあらへんからバレンタインに頼ってみてん。

ちゃんと甘さ控えめにしとるから、食べてな
山田菜々』


「なんでこんなあたしやのにっ…」


普通こんなことされたら嫌いになるやろ
やのに、なんでまだ好きでおれるねん
あたしはただ抱いてイライラ解消するだけやのに
なんでやねんっ。

なんであたしはこの手紙で安心してんねん


「さやか…?」


あたしが山田を抱いてもかんじとったモヤモヤは、これなんか?

山田がまだあたしを好きかどうか分からへんから、モヤモヤして、また抱いて

結局あたし最低やんか…


「さやか」

「やま、だ」

「あ、それ…」

「山田、ごめん」


ソファで寝とったはずの山田が起きてTシャツを着てあたしのところにきとった


「私こそごめんな」

「え?」

「告白したのに返事ないんやから振られたも当然やのに、こんなことまでして」


そう言いながら山田はあたしからそれをとった


「ちゃうねん!」

「え…?」

「そーゆーことやないねん!」

「じゃぁ、どーゆー…」

「あたしの気持ちを押し付けて告白の返事もしてへんのに山田の初めて奪って、何回も抱いてごめん
山田から、それほしい」

「え、貰ってくれるん?」

「うん」

「別に無理せんでもええねんで?」

「無理やない。
あたしも山田のことが好きやから」

「へ?」


素っ頓狂な声を出した山田を抱きしめた


「あたし、山田のこと好き。
ずっと山田にもぉ好きやないって言われるのが怖くて言えへんかったけど、好きやねん」

「彩…」

「やから、それちょうだい」

「うん…!!」


山田がくれたのは甘さ控えめのガトーショコラやった
食べようとしたらブラックのコーヒーが出てきて、こんなにあたしのこと知ってくれとるのにあたしは酷いことしたなって思った。


「彩、食べ終わったら、さ…」

「ん?」

「ちゃんと、優しくしてほしい…」

「え?」

「優しく彩に抱かれたい…」


なんて顔を真っ赤にして自分から誘ってくる山田に今すぐにでも襲いたい感情を抑えて美味しく作ってくれたガトーショコラを味わった


-END-

1ヶ月遅れのバレンタイン

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