恋を2

□せんせー
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「菜々ちゃん、タバコ吸っとんの?」

「え?」


朝、教室に入ると隣の席のみるきーにいきなり腕を引かれ教室の端に連れていかれた


「タバコの匂いするで」

「うっそ!」

「吸ってるん?」

「吸ってへん!!」

「そっかぁ
気のせいなんかなぁ?」

「た、たぶん…」

「なんか、彩ちゃんの匂いに似とるんやけどなぁ」

「気のせいやと思うよ?」

「そっか
いきなりごめんな」


ニコッと笑ったみるきーは席に戻って前の席の子と話しだした


「失礼します」

「あ、山田」

「山本先生、ちょっと。」


カバンだけ置いて職員室に行ってみるきーがさっき言うとった彩ちゃんこと山本彩先生のところに行った


「朝から何やねん」

「みるきーにタバコの匂いがするって言われたんやけど、どーしてくれるん!!」


山本先生とは付き合っとるんやけど、先生と生徒やから誰にも言ってへん。

でも、先生と生徒なんて憧れるやろ?


「あー渡辺と仲ええんやっけ」

「彩ちゃんと似とる匂いって言われてん
勘が鋭いんやから下手したらバレるやろ!」

「そんな怒らへんの」

「なんでそんなあっけらかんなん…」

「渡辺と幼馴染なんやろ?」

「せやけど。」

「渡辺ならバレても大丈夫やない?」

「そーゆー問題じゃ…」

「ごめんな?次からは気をつけるから」

「ぁ、」


私の話を最後まで聞かへんと頭をポンポンして職員室に戻って行った山本先生


「なんやねん…」


ばか。あほ。


「なーなちゃん」

「みるきー?」


山本先生の背中を見送って心の中で文句言うとると後からみるきーに抱きつかれた


「もうすぐチャイム鳴っちゃうで?」

「あ、呼びに来てくれたん?」

「やって菜々ちゃん、彩ちゃんのこと好きやないんやろ?」

「え?」

「いっつも彩ちゃんが話しかけた時嫌そうな顔しとるからそーなんかなって」

「別に嫌そうな顔はしてへんけど…」

「そーなん?
なんか、菜々ちゃんだけ素っ気ないから嫌いなんかと思ったわ」


そんなに素っ気なくしとるつもりはないんやけど…
変に絡んでボロが出たらって考えたらそーなるんかな??


「菜々ちゃん行くでー」

「わぁ、みるきー!!」


手を掴んで走り出したみるきーに一生懸命ついて行った


「山田、渡辺は遅刻っと。」

「えー彩ちゃん許してやぁ」

「あかん」

「菜々ちゃんがお腹壊しててん
しょうがないやろ??」

「みるきー!!」

「やけど遅刻は遅刻や。
はよ席につき」

「ほんま意地悪やなぁ。
許してくれたってええやんか。」


一生懸命走ったけど、間に合わへんくて遅刻になってしまった。

みるきーはぶつぶつ言うとるけど、別にどっちでもええんよな…
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