恋を2

□Students HandBook
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「あのっ、」

「え?」


駅の改札を出ると声をかけられて振り返ってみるとショートカットでジャージ姿の男の子が私の生徒手帳を渡してきた


「落ちてたで」

「あ、ありがとうございます」

「次は気をつけーや」

「はい」


山本って名前が刺繍されとったから高校生やろーか…?


「菜々ちゃん遅いで」

「みるきー!」


教室に入るとすぐに声をかけてきたみるきーは中学からの友達


「どしたん?」

「この近くに青のジャージの高校ある?」

「青かぁ
もしかしたらミナミかも」

「ミナミ?」

「南高
駅のすぐ近くの」


南高、か…


「愛菜が青のジャージやからたぶんミナミやで!」


愛菜は同じ中学でみるきーの恋人


「山本くんって知っとる?」

「山本くん?」

「今日、駅で生徒手帳拾ってくれた男の子」

「好きになったんや」

「別に好きとかやない!」

「ふーん」


ニヤニヤしながらみるきー。

好きになったわけやないもん…
ただ気になるだけやし。


「愛菜に聞いてみるな」

「ありがとう」


山本くん、カッコ良かった…
好きとかやなくて、ただ気になるだけやし。


「なーなちゃん」

「なんやねん」

「ミナミに山本っておるんやけど、、」

「山本くん?」

「いや、女やねん」

「おんな?」


私が見たのは女の子やなかったはずやけど…


「この子」

「ん?…ぇ。」

「この子かぁ」


みるきーが見せてくれた山本さんは今朝見た山本くんと同じ顔やった


「女の子やったん」

「らしいなぁ」

「ふ、双子とか?」

「愛菜が言うには双子ではないらしい
今日の放課後、会ってみーひん?」

「え?」

「ほんまに本人かどうか、確認してみん?」

「ええけど…」

「ほんなら愛菜に言うとくな!」

「…なんでそんなに楽しそうなん?」

「えー?」

「放課後、楽しみやなぁ」


ニヤニヤと見てくるみるきー。

別に好きとかやないもん


-END-

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