恋を2

□ぴーとじぇーけー
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「次、菜々ちゃん!」

「山田菜々、じゅ…22歳です」


みるきーのお姉さんに人数合わせで誘われた合コン

22歳大学生の童顔設定やのに、気を張っとかんと17歳って言うてしまいそうになる


「菜々ちゃん全然飲んでへんやん」

「あ、はい…」

「いっつもはもっと飲んでるんやから遠慮せずに飲みなよー」

「え、」


ドンッと目の前に置かれたコップに入ったテキーラ。

どうしよう…


「それ、飲まへんの?」

「え?」

「もーらい」

「ぁ。」


意をけしてコップを握ると横から手が伸びてきてグビっと飲み干した


「くーっ、やっぱくるなぁ」

「彩弱いのに大丈夫なん?」

「大丈夫やって
たまには強いのもええもんやな」


助けてくれた…?


横で笑っとる彩さんは顔が赤くなっとって一緒に話しとる岸野さんに心配されとった


「二次会行くやつー」

「菜々ちゃんも行こーや」

「あ、私はこれで…」


岸野さんに言われたけど、さすがに時間遅くなったら怒られるし帰ることにした

みるきーはお姉さんに強制的に帰されるらしい


「山田さん帰るん?」

「はい」

「ほんなら俺も帰る」

「ええの?」

「散歩したいしええって」


彩さんと横に並んで歩いた


「彩さん、これ」

「買ってくれたん?」

「さっきお酒飲んでくれたからお礼」

「ありがとう」


自販機で買っとったお茶を彩さんに渡すとニカッと笑った。

かっこええなぁ。


「菜々ちゃんはずっとこっちに住んでんの?」

「うん
生まれた時から17年間ずっと住んで…ぁ、」

「じゅう、ななねん?」

「え、と…」


やってしまった…

一気に怖い顔になった彩さん。


「今は22時半か、まだセーフやな」

「さや、」

「ガキが合コンに来たらあかんやろ!」

「ごめんなさい」

「この子の家まで
お釣りはいらへんから」

「彩さん、」

「もうこの時間に出歩いたらあかんからな!」

「はい…」











「え、なんやねんそれ!」

「まぁ騙したのが悪いんやけどさ…」

「いや、菜々ちゃんはなんもわるくないで!!」

「みるきー…」


朝からみるきーに昨日のことを話すとなんやねんあいつって怒ってくれた

やけど、騙しとったのは私やし…


「ちょっと、そこの学生」

「げ、警察やん」

「二人乗りはあかんやろ」

「さ、彩さん…」

「山本彩かよ」

「これ、防犯登録してへんけどホンマにきみの?」

「はい
あの、彩さん」

「それならええんやけど
ちゃんと防犯登録はしときよ」

「彩さん、昨日はごめんなさい」

「時間、過ぎるで」

「…はい」


やっぱり昨日のはなかったことになってるんや…

当たり前よな、私が彩さんの立場やったらいややもん。


「あんた、乙女の勇気踏みにじったらあかんやろ!」

「みるきー、もうええねん
彩さんが仲良くなりたかったのは22歳の私やねん
おまわりさん、さようなら」

「菜々ちゃん、ええの?」

「ええの。
私そんなにええ子やないし」


浮かれとったのは私だけやねん。

第一、あっちは警察官なんやし恋なんか始まるわけあらへんかったんや
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