恋を2
□おもち
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「好きって言うたらどーする?」
「私も、好き。」
「ほんなら…」
愛菜に抱きしめられて、そのまま顔が近づいてくる
「彩がすんごい顔で見てくるんやけど」
「ごめん。」
申し訳ない顔で見てくる愛菜
キスしそうな距離におるから照れるけど、そんなことより彩がやばいらしい。
沢山の拍手の中緞帳がおり、みんながバタバタと片付けを始めた
文化祭のクラス発表で劇をしたんやけど、高校生の大好きなラブストーリーの主役をクジで決めるのに愛菜と2人で選ばれてしまい、セリフ多いし、彩はいい顔せーへんし、大変やった…
「さやか」
「んやねん。」
「見に来てくれたんやね」
「別に。」
拗ねた顔で周りを見渡した彩は控えめに手を握ってきた
「愛菜とキス、したん?」
「どーやと思う?」
「んー」
「ちょ、さやかっ…」
「ん、してへんな」
唇の端に付いたの私のグロスを親指で拭った彩
その姿にキュンとしてしまう。
「あほちゃう。」
「そーやって、愛菜ん時も赤くなったんやろ」
「彩やから、やん」
「ふーん」
そっぽ向いて鼻の頭をかくのは照れとる時の癖って知っとるから、そんな可愛い彩をみたら少しだけからかいたくなる
「でも、愛菜かっこよかったよな」
「愛菜はあかんで」
「誰かさんと違って慣れとるもんな」
「ふーん」
あ、ちょっとやばかったかも…
「さ、やか…?」
「きて」
「ぇ、」
彩はムスッとした顔で私の腕を引いて人混みをかき分けていく
誰かに電話をかけて、場所を聞いたと思ったらそのまま腕を引いたまま走り出した
「さや、かっ…」
「もぉつくから」
「はぁはぁ、むり…」
足の速い彩に足の遅い私がついていけるわけないやんか。
人にさっきから何回もぶつかっとるし、ほんまにむり…
「あいな!!」
「彩?どしたん?」
愛菜が不思議そうに見てくるけど、そんなの関係ないらしい
「ちょ、んんっ…」
上手く酸素を取り込めてへんのに、お構い無しに彩が唇を塞いでくる
「っはぁ、あほちゃう!」
「なにこれ」
「え、私も菜々ちゃんとちゅうしたい!」
「茉由もしたいねんけど!」
苦しくて彩を離すと愛菜だけやなくて、みるきーもまーちゅんも周りにおって、なんなら他の人もたくさんおって一気に恥ずかしくなった
「次わたし!」
「その次茉由!」
「あたしのや、ばーか」
いや、悪口のセンス無さすぎやろ
赤くなっとるであろう私を抱きしめながら3人にやいやい言われとる彩
「ふふ、」
「何笑っとんねん」
「ほんま可愛いな」
真っ赤な顔して睨んでくる彩のネクタイを引っ張って私から口付けをした
-END-