恋を2

□拗ねてる君
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「愛菜と会ったんやろ」

「ん?」

「こないだ、大阪」

「あー会ったで」


いきなり家に来たと思ったらソファーに深く座って特になにもせずにテレビ見たり携帯を触ったりを繰り返しとったさやかがいきなり口を開いたと思ったら愛菜と会った時のことを聞いてきた


「愛菜から借りるなって連絡きた」

「あ、そうやったん?」

「なんで」

「大阪帰ったら毎回会っとるし?」

「ちゃう」

「なにー?」

「なにも聞いてへん」


いかにもいつも通りを装って話してくるさやかの声は相当拗ねとるらしい

ほんまこーゆー時のさやかは年下感満載で可愛いと思う
本人に言ったらもっと拗ねるから言わへんけど


「ごめんな」

「前もやん」

「前の時は偶然会ってん」

「ふーん」


無意識なのか少し唇を尖らせながらSNSを見るさやか


「晩ごはん、なに食べたい?」

「なんでもいい」

「ハンバーグ?」

「ええんやない」

「なら買い物行ってくるな」


こないださやかからLINEでハンバーグ食べたいって送られてきたしさっきテレビでハンバーグが出てきたからちょうどいい。ハンバーグで機嫌なおしてくれるやろか


「ひとり?」

「え?」

「ついていったらあかんの?」

「ついてきてくれるん?」

「1人がええなら待っとくけど」

「さやかと一緒に行きたい」


この子は無自覚でこーゆーことするからほんまにタチ悪いと思う

さやかに素直に伝えると少し嬉しそうな顔で仕方ないなって腰を上げた


「年末、楽しそうやったな」

「久しぶりのライブやったからな」

「配信見てたで」

「来たらよかったやん」

「誘ってくれへんかったくせに」

「れいにゃんとか連れて来るんやと思っとった」


年末のライブはほんまに楽しそうで配信で見とっても伝わってきたし、ライブ後のLINEで相当楽しかったのが伝わってきた


「作るの、見とく」

「ソファー行っててええんやで?」

「見とく」

「さやかに見られると緊張するなあ」


買い物から帰って作る準備をしとるとさやかに言われ、後ろから視線を感じながらハンバーグを作った


「美味しかった」

「それはよかった」

「また作ってや」

「さやかのリクエストならいつでも作るで」


ハンバーグに満足したのか素直に美味しかったって言うてくれるからそれだけで嬉しくなる


「…菜々」

「へっ、!?」

「あたしも菜々って呼ぼうかな」

「いきなりやん
今さら変えんでもええんやで」

「あたしが呼んだらあかんの?」

「あかんくないよ」


さやかの頭を撫でながら言うとまだご機嫌ななめなのかジト目で見てくる


「今日のさやかちゃんは可愛いなあ」

「うっせ。さやかちゃんって言うなはげ」

「はげてへんわ!」

「お風呂入ってくる!」

「一緒に入らへんの?」

「好きにしたら」


ぷいっとそっぽむいて言うさやか

一緒に入るんやと思ったったんやけどなあ。


「さやかはどうしたい?」

「どっちでもいい」

「そっかあ」

「な、菜々の好きにすれば」

「うん!」


真っ赤にながら呼んでくれるさやかが愛しすぎるけど、伝えると照れてなにも話してくれへんくなるからもう少しだけ私の中に閉じ込めとこう


-END-



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