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□眼差し
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しばらくして珠理奈さんがやってきた。
離れた場所うろうろする私。
端から見たら怪しすぎんだろー。
とか自分で自分に突っ込みを入れる。
校舎の陰から2人の様子をうかがっていると、ポツポツと雨が降ってきた。
それでも、2人は動こうとしない。
だんだんと雨脚が強くなった頃、ようやく話が終わったのか手を振り別れていった。
「何話してるか全然わかんねー」
というか雨!!
私はそそくさとちゅりの元へと走りよる。
「ちゅり?」
雨に濡れたちゅりは笑顔だった。
「愛李・・・」
「?」
「ごめんね・・・・っだってさ。」
いっそう雨音が強くなった気がした。