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□夢のdead body
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家の近くの工場がけたたましいサイレンを鳴らし、昼休みの知らせをしている。
私はやっと荒れたベッドから目を覚まし、重い足取りでリビングに向かうと、足下に昨日出会った外国人の置き土産が落ちていた。
「何て名前やったかなぁ..ム...ムラ...
‥‥忘れた。」
昨日の出来事もまともに思い出せない。
「あかん。飲み過ぎた...めっちゃ頭痛い。」
戸棚から小さな小瓶を取り出し、テーブルに置いておいていた飲みかけのビールで鎮痛剤を適当に流し込む。
外はえらく天気が良さそうで憂鬱になってくる。
このまま眠ってしまおうか。
身を委ねる様に革張りのソファーにダイブした。
天井のファンは規則的にぐるぐると回り、テーブルの灰皿に目線を落とすと私の煙草とは違う吸い殻が積み重なっていた。
「あいつのと同じのや」
灰皿の横に置きっぱなしの空箱を握りつぶし、ゴミ箱に投げ入れた。
「何で思い出させんねん」
眠る気も失せ、勢いよくソファーから立ち上がると少しフラフラした。
揺れる世界を手探りで進み、寝汗でベトベトする身体をスッキリさせるべくお風呂場へ。
汗も邪念も流れていくように熱いシャワーを浴びよう。